無症候性胆嚢結石とメタボリックシンドローム・生活習慣の関連に関する検討

目的:胆嚢結石は,以前から肥満や脂質異常症等との関連が指摘されている.今回,我々は生活習慣やメタボリックシンドローム(以下,MS)と胆嚢結石との関連について検討を行った. 方法:2004~2010年に当院総合健診センターを受診し,同意が得られたなかで,ウイルス性肝炎等の慢性肝疾患や胆嚢摘出後症例を除外した18,540名,(男性10,911名,女性7,629名)を対象として検討した. 結果:胆嚢結石は602名(3.2%)に認められた.胆石群は非胆石群に比して男女ともに年齢・BMI・腹囲・血圧・空腹時血糖・HbA1c・中性脂肪が有意に高く,HDL-コレステロールは有意に低かった.また,有意に脂肪肝...

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Published in人間ドック Vol. 27; no. 3; pp. 611 - 616
Main Authors 出口, 冨美子, 小島, 孝雄, 下村, 順子, 森本, 泰隆, 宮脇, 喜一郎, 中村, 博式, 加藤, 隆弘, 伴, 尚美, 福田, 信宏, 大熊, 晟夫, 濱口, 真英, 大洞, 昭博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本人間ドック学会 2012
日本人間ドック学会
Subjects
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ISSN1880-1021
2186-5027
DOI10.11320/ningendock.27.611

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Summary:目的:胆嚢結石は,以前から肥満や脂質異常症等との関連が指摘されている.今回,我々は生活習慣やメタボリックシンドローム(以下,MS)と胆嚢結石との関連について検討を行った. 方法:2004~2010年に当院総合健診センターを受診し,同意が得られたなかで,ウイルス性肝炎等の慢性肝疾患や胆嚢摘出後症例を除外した18,540名,(男性10,911名,女性7,629名)を対象として検討した. 結果:胆嚢結石は602名(3.2%)に認められた.胆石群は非胆石群に比して男女ともに年齢・BMI・腹囲・血圧・空腹時血糖・HbA1c・中性脂肪が有意に高く,HDL-コレステロールは有意に低かった.また,有意に脂肪肝の合併やMSの頻度が多かった.生活習慣では,コーヒー摂取・喫煙との関連はなかったが,飲酒者の方が胆嚢結石の頻度は少なかった.多変量解析では,男女ともに高齢,BMI高値が,男性のみでMSの存在が胆嚢結石の独立した危険因子であった.一方,飲酒は胆嚢結石の抑制因子であった. 結論:胆嚢結石は,MSの各因子と関連する生活習慣病の1つであり,生活習慣改善指導などの介入が,その予防には必要と考えられた.
ISSN:1880-1021
2186-5027
DOI:10.11320/ningendock.27.611