膵神経内分泌腫瘍の病型の変遷 WHO 2010から2017へ

膵―消化管原発の神経内分泌腫瘍の病理分類としてWHO 2010分類が実際に用いられてきたが,幾つかの問題点が指摘されるようになった.そこで今回膵原発の神経内分泌腫瘍に限って,新しい病型分類WHO 2017が発表された.このWHO 2017病型分類の大きな改定点としては,最初に神経内分泌腫瘍を高分化と低分化に形態学的所見から分類し,前者を腫瘍の細胞増殖動態からWHO 2010分類同様にG1,G2,G3と細分化し後者を形態所見から小細胞癌と大細胞癌に分類したことがあげられる.加えて,高分化型神経内分泌腫瘍の分類の根幹となるKi67指標の推奨される算出法を示したこと,および,外分泌成分との混合腫瘍に...

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Published in膵臓 Vol. 34; no. 2; pp. 56 - 62
Main Authors 藤島, 史喜, 笹野, 公伸, 渡邊, 裕文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本膵臓学会 25.04.2019
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ISSN0913-0071
1881-2805
DOI10.2958/suizo.34.56

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Summary:膵―消化管原発の神経内分泌腫瘍の病理分類としてWHO 2010分類が実際に用いられてきたが,幾つかの問題点が指摘されるようになった.そこで今回膵原発の神経内分泌腫瘍に限って,新しい病型分類WHO 2017が発表された.このWHO 2017病型分類の大きな改定点としては,最初に神経内分泌腫瘍を高分化と低分化に形態学的所見から分類し,前者を腫瘍の細胞増殖動態からWHO 2010分類同様にG1,G2,G3と細分化し後者を形態所見から小細胞癌と大細胞癌に分類したことがあげられる.加えて,高分化型神経内分泌腫瘍の分類の根幹となるKi67指標の推奨される算出法を示したこと,および,外分泌成分との混合腫瘍に関してはMiNEN(mixed neuroendocrine non-neuroendocrine neoplasm)という新しい疾患名を提唱したことが挙げられる.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.34.56