繰り返す小腸出血に対して複数回のカプセル内視鏡をガイドにダブルバルーン内視鏡で治療した1例
「症例供覧」「患者背景」症例は70歳代男性. 元会社員, 定年を迎え現在仕事はしていない. 30年前に他院で内痔核の手術を受けているが, その後特記すべき既往歴がなく常用薬はない. 20歳から現在に至るまで, たばこ1日30本, 日本酒2合の嗜好歴がある. 「現病歴」平成17年7月, 黒色便を自覚して前医を受診し, ヘモグロビン5.4g/dLと高度の貧血を指摘された. 上部および下部内視鏡検査で十二指腸潰瘍瘢痕と大腸憩室を指摘されたが出血源は明らかではなかった. その後明らかな消化管出血症状を認めず貧血は鉄剤の投与で回復していたが, 平成18年5月, 再度黒色便を自覚して前医を再受診した. ヘ...
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Published in | 日本医科大学医学会雑誌 Vol. 5; no. 4; pp. 221 - 224 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本医科大学医学会
2009
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Online Access | Get full text |
ISSN | 1349-8975 1880-2877 |
DOI | 10.1272/manms.5.221 |
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Summary: | 「症例供覧」「患者背景」症例は70歳代男性. 元会社員, 定年を迎え現在仕事はしていない. 30年前に他院で内痔核の手術を受けているが, その後特記すべき既往歴がなく常用薬はない. 20歳から現在に至るまで, たばこ1日30本, 日本酒2合の嗜好歴がある. 「現病歴」平成17年7月, 黒色便を自覚して前医を受診し, ヘモグロビン5.4g/dLと高度の貧血を指摘された. 上部および下部内視鏡検査で十二指腸潰瘍瘢痕と大腸憩室を指摘されたが出血源は明らかではなかった. その後明らかな消化管出血症状を認めず貧血は鉄剤の投与で回復していたが, 平成18年5月, 再度黒色便を自覚して前医を再受診した. ヘモグロビンは4.8g/dLまで低下し再度上部・下部内視鏡・腹部CT検査を施行したが出血源が特定できなかったため, 小腸精査目的で当科紹介入院となった. 「初診時現症」身長165cm, 体重55kg. 意識清明. |
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ISSN: | 1349-8975 1880-2877 |
DOI: | 10.1272/manms.5.221 |