夜勤・交代勤務と血清中25-水酸化ビタミンD濃度に関する断面研究 古河栄養健康研究
「はじめに」現代社会において勤務形態は多様化しており, 夜勤・交代勤務は建設業や製造業を始め多くの産業で広く採用されている. 日本における夜勤・交代勤務者の割合は増加傾向にあり, 2012年には労働者の約2割(約1,200万人)に達する. しかしながら, 夜勤・交代勤務に長期に従事することで肥満, 高血圧, 2型糖尿病などの生活習慣病や前立腺がんといったホルモン関連がんなど様々な健康障害のリスクが高まるとの報告がなされている. 夜勤・交代勤務によってこれらのリスクが高まるメカニズムとして生体リズムの乱れが指摘されている. その他のメカニズムとして, 夜勤・交代勤務では日光曝露の機会が制限される...
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Published in | 産業衛生学雑誌 Vol. 62; no. 4; pp. 149 - 153 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本産業衛生学会
20.07.2020
日本産業衛生学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1341-0725 1349-533X |
DOI | 10.1539/sangyoeisei.2019-015-C |
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Summary: | 「はじめに」現代社会において勤務形態は多様化しており, 夜勤・交代勤務は建設業や製造業を始め多くの産業で広く採用されている. 日本における夜勤・交代勤務者の割合は増加傾向にあり, 2012年には労働者の約2割(約1,200万人)に達する. しかしながら, 夜勤・交代勤務に長期に従事することで肥満, 高血圧, 2型糖尿病などの生活習慣病や前立腺がんといったホルモン関連がんなど様々な健康障害のリスクが高まるとの報告がなされている. 夜勤・交代勤務によってこれらのリスクが高まるメカニズムとして生体リズムの乱れが指摘されている. その他のメカニズムとして, 夜勤・交代勤務では日光曝露の機会が制限されることが疾患リスクに影響していると推測されている. その生物学的な説明として, 日光(紫外線)曝露の減少に伴う体内のビタミンD不足あるいは欠乏の関与が示唆されている. ビタミンDは紫外線曝露により皮膚で産生されるが, 近年, 血圧調整ホルモンへの影響, 自己免疫能の調整に関与するホルモン様作用などを有することが明らかになっており, ビタミンDは骨疾患に加え, がんや循環器疾患, 自己免疫疾患, または精神疾患など多くの疾患の予防に関与していると考えられている. |
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ISSN: | 1341-0725 1349-533X |
DOI: | 10.1539/sangyoeisei.2019-015-C |