周術期医療における薬剤師のあるべき姿とは

周術期医療における薬剤師の業務は,厳密な管理が要求される医薬品の管理を中心に発展してきた.しかしながら,薬剤師に期待されていることは,手術患者の安全と医療の質の向上のために,医師や他のスタッフと協働で薬物療法に対する処方設計・処方提案などの薬学的管理を行うことである.東邦大学医療センター大森病院では,2013年度より,麻酔科術前外来において,薬剤師が患者の常用薬を確認し,術前中止薬を服用している場合には,麻酔科医へ情報提供を行っている.また,Acute Pain Service回診へ参加し,鎮痛薬の効果や副作用の評価と,鎮痛薬の処方提案を行っている.その結果,術前中止薬を服用していることによる...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 38; no. 7; pp. 798 - 802
Main Authors 長谷川, 哲也, 寺田, 享志, 池田, 貴之, 落合, 亮一, 大岩, 彩乃, 西澤, 健司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.11.2018
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.38.798

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Summary:周術期医療における薬剤師の業務は,厳密な管理が要求される医薬品の管理を中心に発展してきた.しかしながら,薬剤師に期待されていることは,手術患者の安全と医療の質の向上のために,医師や他のスタッフと協働で薬物療法に対する処方設計・処方提案などの薬学的管理を行うことである.東邦大学医療センター大森病院では,2013年度より,麻酔科術前外来において,薬剤師が患者の常用薬を確認し,術前中止薬を服用している場合には,麻酔科医へ情報提供を行っている.また,Acute Pain Service回診へ参加し,鎮痛薬の効果や副作用の評価と,鎮痛薬の処方提案を行っている.その結果,術前中止薬を服用していることによる手術中止の件数を減少させ,手術患者の在院日数を短縮することが可能であった.周術期医療において,薬剤師は重要な役割を担っている.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.38.798