結合容量電極を用いた血圧動態推定システムに関する研究
近年,健康起因による交通事故件数が増加傾向にある.その主な原因は心臓疾患によるものである.また血圧の急激な変化により意識を失い,重大な事故につながっている.そのため運転時に血圧を連続的かつ長期的に計測する技術が求められている.一般的に血圧測定は接触式であり,運転時の計測を考慮すると非接触であることが望ましい.そこで本研究では,脈波伝搬時間(PTT)に注目した.PTTは血圧の情報を含んでおり,心電計と脈波計を用いて算出できる.脈波計は原理的に非接触での計測が可能であり,心電計が非接触で計測可能となれば非接触血圧計測が可能となる.そこで我々は心電計の代替として,非接触で計測可能である結合容量電極を...
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Published in | 生体医工学 Vol. Annual59; no. Abstract; p. 442 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2021
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ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
DOI | 10.11239/jsmbe.Annual59.442 |
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Summary: | 近年,健康起因による交通事故件数が増加傾向にある.その主な原因は心臓疾患によるものである.また血圧の急激な変化により意識を失い,重大な事故につながっている.そのため運転時に血圧を連続的かつ長期的に計測する技術が求められている.一般的に血圧測定は接触式であり,運転時の計測を考慮すると非接触であることが望ましい.そこで本研究では,脈波伝搬時間(PTT)に注目した.PTTは血圧の情報を含んでおり,心電計と脈波計を用いて算出できる.脈波計は原理的に非接触での計測が可能であり,心電計が非接触で計測可能となれば非接触血圧計測が可能となる.そこで我々は心電計の代替として,非接触で計測可能である結合容量電極を用いた計測システムを提案している.本手法は誘電体(心臓や肺など)の形状や構成が変化することで結合容量が変化する特性を利用している.連続血圧計(Finometer MIDI), 心電計と本提案システムの同時計測を行い,心電図のR波ピークと提案システムの計測データにおけるピークが同期していること,またPTTを計測できることを確認した.その結果,心電図のR波ピークとは0.9を超える相関値を持ち,また心電計を用いた場合と同様に提案システムでも血圧と相関を持つPTTを計測することができたので報告する. |
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ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual59.442 |