抗N末端α-エノラーゼ抗体をみとめた急性小脳失調症の1例

症例は61歳,男性である.急性の小脳失調をきたし救急入院となった.頭部MRI上,小脳萎縮はなく,脳血流SPECTで小脳虫部の血流低下をみとめた.髄液検査では蛋白が軽度上昇し,甲状腺機能低下はごく軽度であったが,抗TPO抗体や抗N末端α-エノラーゼ(NAE)抗体をみとめたため,抗NAE抗体陽性脳症による急性小脳失調症と診断した.症状は3週間で自然軽快し,独歩にて退院となった.急性小脳失調症の鑑別として橋本脳症を考慮すべきと思われた....

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Published in臨床神経学 Vol. 50; no. 8; pp. 581 - 584
Main Authors 和田, 健二, 土井, 浩二, 米田, 誠, 古和, 久典, 中島, 健二, 山本, 幹枝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2010
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.50.581

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Summary:症例は61歳,男性である.急性の小脳失調をきたし救急入院となった.頭部MRI上,小脳萎縮はなく,脳血流SPECTで小脳虫部の血流低下をみとめた.髄液検査では蛋白が軽度上昇し,甲状腺機能低下はごく軽度であったが,抗TPO抗体や抗N末端α-エノラーゼ(NAE)抗体をみとめたため,抗NAE抗体陽性脳症による急性小脳失調症と診断した.症状は3週間で自然軽快し,独歩にて退院となった.急性小脳失調症の鑑別として橋本脳症を考慮すべきと思われた.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.50.581