気管支喘息の重症度判定における気管支鏡の応用についての試み(治療過程における気管支鏡所見)

気管支喘息患者70例について気管支鏡検査を行い, 内視鏡所見, 気管支生検所見から重症度および病型との関連について検討した。内視鏡所見としては気管支痙縮像, 分泌亢進像, 粘膜浮腫像を認め, 発作強度, 重症度との関係が認められた。気管支生検を行った35例の組織学的所見では, 基底細胞増加, 杯細胞増加, 基底膜肥厚, 浮腫, 細胞浸潤が認められ, 発作例に著明であった。軽症アトピー型では好酸球浸潤などの細胞浸潤が強く, 重症混合型では杯細胞増加が認められた。ダニ抗原陽性気管支喘息では, IgE陽性細胞の増加を認めたが, マスト細胞は減少し染色性が低下していた。BALは15例に行ったが, 回収...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 9; no. 4; pp. 332 - 339
Main Authors 須藤, 守夫, 北澤, 俊一, 田村, 昌士, 冨地, 信和, 道又, 衛, 小林, 仁, 斯波, 明子, 毛利, 孝, 増田, 昌文, 樋口, 清一, 谷藤, 幸夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 1988
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.9.4_332

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Summary:気管支喘息患者70例について気管支鏡検査を行い, 内視鏡所見, 気管支生検所見から重症度および病型との関連について検討した。内視鏡所見としては気管支痙縮像, 分泌亢進像, 粘膜浮腫像を認め, 発作強度, 重症度との関係が認められた。気管支生検を行った35例の組織学的所見では, 基底細胞増加, 杯細胞増加, 基底膜肥厚, 浮腫, 細胞浸潤が認められ, 発作例に著明であった。軽症アトピー型では好酸球浸潤などの細胞浸潤が強く, 重症混合型では杯細胞増加が認められた。ダニ抗原陽性気管支喘息では, IgE陽性細胞の増加を認めたが, マスト細胞は減少し染色性が低下していた。BALは15例に行ったが, 回収率の低下と細胞分画で好酸球, マスト細胞, リンパ球の増加を認めた。T cellサブセットは健常対照群と差がなかった。喘息群ではBALF上清中のヒスタミン量の上昇, 特異抗原添加によるBALF細胞からのヒスタミン遊離量の増加を認めた。ダニ抗原による減感作治療群では, 未施行群に比しBALF細胞からのヒスタミン遊離量が低下していた。
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.9.4_332