全身麻酔時の心電図に関する研究

全身麻酔のごとく意識がない患者では患者自身の訴えがないため, 患者から得られる情報が少なく, そのため数少ない個々の情報はより正確度が要求されるが, 心電図は全身麻酔中の心臓のリズムの変化を正確に伝える情報として必要欠くべからざることはいうまでもない. そこで著者は心電図による連続監視を行なうことによつて, 絶えず変化する麻酔中の心電図の変化を正確にとらえ, より安全なる麻酔管理を行なうことが目的で, その研究の一部として全身麻酔中に発生せる不整脈について検討を行なつたのである. 「方法」心電図の観察は麻酔開始前より麻酔覚醒まで, 三栄測器KKポリグラフ142-8型を使用して連続監視を行ない,...

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Published in医療 Vol. 27; no. 7; pp. 593 - 597
Main Authors 武田, 忠浩, 山田, 満, 小池, 荘介, 大田, 大滋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1973
医療同好会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.27.593

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Summary:全身麻酔のごとく意識がない患者では患者自身の訴えがないため, 患者から得られる情報が少なく, そのため数少ない個々の情報はより正確度が要求されるが, 心電図は全身麻酔中の心臓のリズムの変化を正確に伝える情報として必要欠くべからざることはいうまでもない. そこで著者は心電図による連続監視を行なうことによつて, 絶えず変化する麻酔中の心電図の変化を正確にとらえ, より安全なる麻酔管理を行なうことが目的で, その研究の一部として全身麻酔中に発生せる不整脈について検討を行なつたのである. 「方法」心電図の観察は麻酔開始前より麻酔覚醒まで, 三栄測器KKポリグラフ142-8型を使用して連続監視を行ない, かつ記録は術前, 前投薬投与後, 導入, 術中, 覚醒時の各時期に行ない, そのほか異常が認められる場合はその都度記録を行なつた. 「症例」昭和44年1月より45年12月末までの2年間に心電図記録を行なつたもの289例で, 科別では外科が最も多く289例中233例81.1%をしめ, そのほか婦人科27例, 整形外科および耳鼻科各10例, 泌尿科9例の順になつている.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.27.593