自宅で限られた命を生きるがん患者の“生と死”に関する体験
【目的】在宅緩和ケアを受ける終末期がん患者の“生と死”に関する体験を明らかにすることである。 【方法】予後半年以内で,在宅緩和ケアを受けている患者5名を対象に,半構造的面接法と参加観察法を用いてデータを収集し,Giorgiの現象学的心理学アプローチの方法を用いて分析した。 【結果】在宅終末期患者は【残された時間は長くはないと自覚しながらも抱き続ける生への希求】と【逃れられないのならせめて“自然な死”を望む】気持ちから,【生への希求とせめて穏やかな死への望みの間の揺らぎ】となっていた。また在宅療養を支える周囲への感謝と負担感という【生にも死にもつながりうる家族や周囲の人への思い】を抱きながら,【...
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Published in | 日本看護研究学会雑誌 Vol. 41; no. 5; pp. 5_959 - 5_969 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本看護研究学会
20.12.2018
Japan Society of Nursing Research |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 2188-3599 2189-6100 |
DOI | 10.15065/jjsnr.20180413019 |
Cover
Summary: | 【目的】在宅緩和ケアを受ける終末期がん患者の“生と死”に関する体験を明らかにすることである。 【方法】予後半年以内で,在宅緩和ケアを受けている患者5名を対象に,半構造的面接法と参加観察法を用いてデータを収集し,Giorgiの現象学的心理学アプローチの方法を用いて分析した。 【結果】在宅終末期患者は【残された時間は長くはないと自覚しながらも抱き続ける生への希求】と【逃れられないのならせめて“自然な死”を望む】気持ちから,【生への希求とせめて穏やかな死への望みの間の揺らぎ】となっていた。また在宅療養を支える周囲への感謝と負担感という【生にも死にもつながりうる家族や周囲の人への思い】を抱きながら,【自己を超越した存在】を意識していた。 【結論】看護師が患者にそれまでの人生を振り返る問いかけを行うことの有効性と,家族とともに過去の看取り体験への語りを促すことの重要性が示唆された。 |
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ISSN: | 2188-3599 2189-6100 |
DOI: | 10.15065/jjsnr.20180413019 |