重度の白血化を伴った犬の肝脾T細胞リンパ腫

13歳11カ月齢,雄のビーグルが血小板減少症とリンパ球増加症を主訴に当院を紹介来院した。血液検査では,軽度の非再生性貧血(Ht 28.7 %, Ret 1 %)と血小板減少症(117×103 /μl)及び重度のリンパ球増加症(503,148 /μl)が認められた。腹部エコーでは脾腫が認められ,脾臓摘出と骨髄検査を実施した。脾臓の病理組織学的検査所見および骨髄細胞診所見より脾臓原発のリンパ腫と診断した。CCNUとL-asparaginaseの投与によりリンパ球は基準値内に低下した。末梢血を用いたフローサイトメトリーの結果から細胞障害性T細胞由来であることが示唆され,最終的に肝脾T細胞リンパ腫と診...

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Published in動物臨床医学 Vol. 31; no. 2; pp. 57 - 61
Main Authors 川北, 智子, 岸田, 藍, 大下, 航, 大塚, 真子, 橋本, 淳史, 平尾, 礼示郎, 下田, 哲也, 岸田, 康平, 小路, 祐樹, 神田, 拓野
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 動物臨床医学会 25.06.2022
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ISSN1344-6991
1881-1574
DOI10.11252/dobutsurinshoigaku.31.57

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Summary:13歳11カ月齢,雄のビーグルが血小板減少症とリンパ球増加症を主訴に当院を紹介来院した。血液検査では,軽度の非再生性貧血(Ht 28.7 %, Ret 1 %)と血小板減少症(117×103 /μl)及び重度のリンパ球増加症(503,148 /μl)が認められた。腹部エコーでは脾腫が認められ,脾臓摘出と骨髄検査を実施した。脾臓の病理組織学的検査所見および骨髄細胞診所見より脾臓原発のリンパ腫と診断した。CCNUとL-asparaginaseの投与によりリンパ球は基準値内に低下した。末梢血を用いたフローサイトメトリーの結果から細胞障害性T細胞由来であることが示唆され,最終的に肝脾T細胞リンパ腫と診断した。脾臓摘出と化学療法によって臨床症状が消失したものの,治療反応は徐々に悪化し274病日に死の転帰を取った。
ISSN:1344-6991
1881-1574
DOI:10.11252/dobutsurinshoigaku.31.57