バルーンアブレーションの持続性心房細動への適応拡大

心房細動(AF)がカテーテルアブレーション手技によって根治可能となって以来, 20年が経過しました. 現在, 我が国では年間10万件を超えるアブレーション手術が施行され, その約7割をAFが占めます. その手技は2000年に高周波通電法によって開始されましたが, 2014年のクライオバルーンを皮切りにホットバルーンおよびレーザーバルーンが導入されて以降急速に普及し, 現在はAF治療の約3割がバルーン機器を用いて行われています. バルーンカテーテルのメリットは, 従来のカテーテルに比して施設間・術者間格差が少ないことに加えて, その治療効果が従来型カテーテルに勝るとも劣らない結果が得られることに...

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Published in心電図 Vol. 40; no. 2; pp. 67 - 68
Main Authors 庄田, 守男, 山根, 禎一, 野上, 昭彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 07.08.2020
日本不整脈心電学会
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ISSN0285-1660
1884-2437
DOI10.5105/jse.40.67

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Summary:心房細動(AF)がカテーテルアブレーション手技によって根治可能となって以来, 20年が経過しました. 現在, 我が国では年間10万件を超えるアブレーション手術が施行され, その約7割をAFが占めます. その手技は2000年に高周波通電法によって開始されましたが, 2014年のクライオバルーンを皮切りにホットバルーンおよびレーザーバルーンが導入されて以降急速に普及し, 現在はAF治療の約3割がバルーン機器を用いて行われています. バルーンカテーテルのメリットは, 従来のカテーテルに比して施設間・術者間格差が少ないことに加えて, その治療効果が従来型カテーテルに勝るとも劣らない結果が得られることにあります. 我が国における現在のバルーンアブレーションの適応は, 発作性AFに対する肺静脈隔離術に限られています. これは, 発作性AFでは肺静脈内に限局しているAFの引き金(期外収縮)が主因であるために肺静脈隔離による治療効果が高いこと, またバルーンは肺静脈入口部にフィットする形状に作成されていることによります.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.40.67