2.神経内科と鍼灸治療

神経内科受診時の主訴として多いのは頭痛・めまい・しびれ・痛みなどである. 疾患としては頭痛やてんかんなどの機能性障害, 脳梗塞や脳出血など脳血管障害, パーキンソン病やアルツハイマー病, 多系統萎縮症などの神経変性疾患, ギラン・バレー症候群や重症筋無力症, 多発性硬化症などの免疫性疾患など多岐にわたる. これらの神経疾患には運動機能障害, 感覚障害, 排尿・排便障害を含む自律神経障害など多彩な症状が認められ, QOLが大きく損なわれる. 鍼灸治療がこれらの諸症状に対して優れた対症療法として期待されたことから, 千葉大学医学部附属病院神経内科において鍼灸外来が開始された. 1978年の千葉大学...

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Published in日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 73; no. 1; p. 33
Main Author 川ロ, 直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本温泉気候物理医学会 2009
日本温泉気候物理医学会
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ISSN0029-0343
1884-3697
DOI10.11390/onki.73.33

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Summary:神経内科受診時の主訴として多いのは頭痛・めまい・しびれ・痛みなどである. 疾患としては頭痛やてんかんなどの機能性障害, 脳梗塞や脳出血など脳血管障害, パーキンソン病やアルツハイマー病, 多系統萎縮症などの神経変性疾患, ギラン・バレー症候群や重症筋無力症, 多発性硬化症などの免疫性疾患など多岐にわたる. これらの神経疾患には運動機能障害, 感覚障害, 排尿・排便障害を含む自律神経障害など多彩な症状が認められ, QOLが大きく損なわれる. 鍼灸治療がこれらの諸症状に対して優れた対症療法として期待されたことから, 千葉大学医学部附属病院神経内科において鍼灸外来が開始された. 1978年の千葉大学神経内科開設以来30年以上神経内科外来にて鍼灸外来は行われている. 現在は週1日の診療日で1日約10名の患者が受診しており年間延べ受診者数は約500名である. 治療は非常勤鍼灸師1名により行われている. 患者の多くは不定愁訴としての頭痛・しびれ感などを訴え, 難治性であることから精神的なバランスを崩してしまうことが珍しくなく, 精神神経科と併診されていることも多い.
ISSN:0029-0343
1884-3697
DOI:10.11390/onki.73.33