日本医科大学てんかん診療の歴史・現況・そして未来「日本医科大学包括てんかん診療ミーティング」結成報告
てんかんは昨今しばしばメディアに取り上げられ注目されている, 全国紙上てんかんの啓蒙的解説が一面全面に掲載されたり1, 日本では未認可であった新薬が近年次々承認上市されたという朗報もある2一方, 運転中の発作による交通事故など悲劇的側面が強調されることが多い. てんかんの有病率は0.5~1%と推定され実数にして約100万人であり稀少疾患ではない. 一方日本てんかん学会認定「てんかん専門医」は僅かに約400名(平成24年7月現在)であるため専門医資格を有さずとも小児科・脳神経外科・神経内科・精神科の標榜医師はてんかん診療に与らないと莫大な「てんかん医療難民」が発生する. この問題を同学会は最重要...
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Published in | 日本医科大学医学会雑誌 Vol. 9; no. 1; pp. 33 - 34 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本医科大学医学会
2013
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Online Access | Get full text |
ISSN | 1349-8975 1880-2877 |
DOI | 10.1272/manms.9.33 |
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Summary: | てんかんは昨今しばしばメディアに取り上げられ注目されている, 全国紙上てんかんの啓蒙的解説が一面全面に掲載されたり1, 日本では未認可であった新薬が近年次々承認上市されたという朗報もある2一方, 運転中の発作による交通事故など悲劇的側面が強調されることが多い. てんかんの有病率は0.5~1%と推定され実数にして約100万人であり稀少疾患ではない. 一方日本てんかん学会認定「てんかん専門医」は僅かに約400名(平成24年7月現在)であるため専門医資格を有さずとも小児科・脳神経外科・神経内科・精神科の標榜医師はてんかん診療に与らないと莫大な「てんかん医療難民」が発生する. この問題を同学会は最重要課題と見做し3本年7月に厚労省研究班ベースで「てんかん診療ネットワーク」を立ち上げた4. 日本医師会は今年の日医生涯教育セミナーで「てんかんの診断から最新の治療まで」を取り上げた. しかし医療業界内でてんかんは誤解や認識不足のため敬遠されがちであり5筆者は憂慮する. |
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ISSN: | 1349-8975 1880-2877 |
DOI: | 10.1272/manms.9.33 |