気管支形成術における術後管理 : 肺癌の気管支形成術後の合併症に対する対策を中心として(気道再建)(第 7 回日本気管支学会総会特集)
昭和59年3月までに経験した肺癌に対する気管支形成術症例は52例であるが, 肺癌気管支形成術後の管理について, 特に術後合併症に対する対策を中心に検討した。術後合併症のうち頻度の高いものは痰喀出障害(15%), 無気肺(10%)であり, 閉塞性呼吸障害, 縦隔リンパ節郭清, 気管支切断などが肺癌の気管支形成術後の気道分泌物喀出障害の原因となることからその処置は形成術の術後管理上重要である。気管カテーテル, 気管支ファイバースコープによる痰の吸引により8例中7例は改善したが, 特に気管支ファイバースコープは気道分泌物の吸引に有用であった。このほか気管支吻合部の肉芽形成を9例(17%)にみたが7例...
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| Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 6; no. 4; pp. 457 - 463 |
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| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
1984
The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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| ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI | 10.18907/jjsre.6.4_457 |
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| Summary: | 昭和59年3月までに経験した肺癌に対する気管支形成術症例は52例であるが, 肺癌気管支形成術後の管理について, 特に術後合併症に対する対策を中心に検討した。術後合併症のうち頻度の高いものは痰喀出障害(15%), 無気肺(10%)であり, 閉塞性呼吸障害, 縦隔リンパ節郭清, 気管支切断などが肺癌の気管支形成術後の気道分泌物喀出障害の原因となることからその処置は形成術の術後管理上重要である。気管カテーテル, 気管支ファイバースコープによる痰の吸引により8例中7例は改善したが, 特に気管支ファイバースコープは気道分泌物の吸引に有用であった。このほか気管支吻合部の肉芽形成を9例(17%)にみたが7例は縫合糸, 肉芽の除去により改善した。吻合部狭窄, 閉塞, 縫合不全, 気管支肺動脈瘻, 吻合部癌再発などの合併症については術中の適確な気管支切離線の決定, 吻合操作により予防することが重要であるが, 出現した場合の処置についても述べた。 |
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| ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI: | 10.18907/jjsre.6.4_457 |