脚枝間リエントリー性心室頻拍にこだわるわけ

「I. はじめに」"忘れえぬ心電図" というお題をいただいて, 今までの医師としての軌跡を振り返ってみた. 医師となって循環器疾患として初めて受けもったUhl病 (今では右室心筋症の範疇であろう). 心停止蘇生例で私にとっての第1例目のBrugada症候群, J波症候群, 心室細動 (VF) ・多形性心室頻拍 (多形性VT) ・二向性VTを呈したカテコラミン感受性VT例やトリカブト中毒例, QT延長症候群例, 高周波によるアブレーション第1例目など, まだまだ出てきそうである. 悔いが残る症例は, 治療にさまざまな工夫をしたが, 突然死を防ぐことができなかった, 特に, 植...

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Published in心電図 Vol. 37; no. 1; pp. 34 - 37
Main Author 櫻田, 春水
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 2017
日本不整脈心電学会
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ISSN0285-1660
1884-2437
DOI10.5105/jse.37.34

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Summary:「I. はじめに」"忘れえぬ心電図" というお題をいただいて, 今までの医師としての軌跡を振り返ってみた. 医師となって循環器疾患として初めて受けもったUhl病 (今では右室心筋症の範疇であろう). 心停止蘇生例で私にとっての第1例目のBrugada症候群, J波症候群, 心室細動 (VF) ・多形性心室頻拍 (多形性VT) ・二向性VTを呈したカテコラミン感受性VT例やトリカブト中毒例, QT延長症候群例, 高周波によるアブレーション第1例目など, まだまだ出てきそうである. 悔いが残る症例は, 治療にさまざまな工夫をしたが, 突然死を防ぐことができなかった, 特に, 植込み型除細動器 (ICD) が登場する前の重症不整脈を有する若年例である. 過去を振り返ってみると, その都度, 働いた病院や, 特に若いときに教えていただいた先輩方のことが思い出される. "忘れえぬ心電図" というせっかくのお題をいただいたので, 昔を思い出しながら, 比較的多くの症例を経験した脚枝間リエントリー性VTの心電図所見について語ってみたいと思う.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.37.34