Silver Spike Point 療法が手持ち振動工具取扱い者の自律神経機能に及ぼす影響について

Silver Spike Point(SSP)療法は, 真鍮に銀メッキした三角円錐電極であるSSP電極をツボ(acupuncture point, acupoint)に置き, 低周波通電を行うツボ表面刺激療法1)で, 刺激鎮痛法の一つとして有用2)とされている. 作用機序として, (1)ゲートコントロール説, (2)局所血流の改善による発痛物質の除去, (3)上位中枢からの抑制, (4)内因性モルヒネ様物質の産生, などが考えられている. また, 自律神経系への直接作用などによるストレスの緩和作用3)なども報告されている. 著者らはこれまで, 手持ち振動工具取扱い者にSSP療法を施行し, それ...

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Published in日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 65; no. 4; pp. 216 - 224
Main Authors 宮下, 和久, 森岡, 郁晴, 坂口, 俊二, 森, 英俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本温泉気候物理医学会 2002
日本温泉気候物理医学会
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ISSN0029-0343
1884-3697
DOI10.11390/onki1962.65.216

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Summary:Silver Spike Point(SSP)療法は, 真鍮に銀メッキした三角円錐電極であるSSP電極をツボ(acupuncture point, acupoint)に置き, 低周波通電を行うツボ表面刺激療法1)で, 刺激鎮痛法の一つとして有用2)とされている. 作用機序として, (1)ゲートコントロール説, (2)局所血流の改善による発痛物質の除去, (3)上位中枢からの抑制, (4)内因性モルヒネ様物質の産生, などが考えられている. また, 自律神経系への直接作用などによるストレスの緩和作用3)なども報告されている. 著者らはこれまで, 手持ち振動工具取扱い者にSSP療法を施行し, それが末梢循環機能に及ぼす影響を加速度脈波(second derivative photoplethysmogram;SDPTG)を用いて検討してきた. その結果, 末梢循環機能が低下している者では, SSP療法後にSDPTGのインデックスのうち, その総合的な指標である脈波係数が有意に上昇することから, SSP療法が末梢循環機能の改善に有用であることを報告した4). SDPTGの波形とそのインデックスは, 心拍出量や伝導血管系の性質, 指尖血管群の変化など心血管系の様々な情報が得られることが知られているが5), このインデックス上昇による末梢循環機能改善のメカニズムとして, 交感神経性血管収縮運動抑制による血管収縮の緩和が反映されたものと考えた.
ISSN:0029-0343
1884-3697
DOI:10.11390/onki1962.65.216