Benign tremulous parkinsonismで両側視床下核-深部脳刺激術が有効であった1例

症例は62歳の男性である.安静時振戦および姿勢時振戦を両上肢にみとめ,筋強剛はなく無動はごく軽度であった.[11C]CFT-PET所見では線条体ドパミン神経のシナプス前機能の低下がみとめ,[11C]RAC-PET 所見ではシナプス後機能はわずかに亢進していた.Benign tremulous parkinsonism(BTP)と診断し内服薬による加療を開始したが効果がみられず,振戦は徐々に増悪しQOLの低下がみられた.そのため,両側視床下核-深部脳刺激術(subthalamic nucleus-deep brain stimulation; STN-DBS)を施行したところ,振戦は消失し経過は...

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Published in臨床神経学 Vol. 54; no. 6; pp. 511 - 514
Main Authors 大島, 秀規, 片山, 容一, 深江, 治郎, 服部, 信孝, 深谷, 親, 石井, 賢二, 坪井, 義夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 01.06.2014
Subjects
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.54.511

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Summary:症例は62歳の男性である.安静時振戦および姿勢時振戦を両上肢にみとめ,筋強剛はなく無動はごく軽度であった.[11C]CFT-PET所見では線条体ドパミン神経のシナプス前機能の低下がみとめ,[11C]RAC-PET 所見ではシナプス後機能はわずかに亢進していた.Benign tremulous parkinsonism(BTP)と診断し内服薬による加療を開始したが効果がみられず,振戦は徐々に増悪しQOLの低下がみられた.そのため,両側視床下核-深部脳刺激術(subthalamic nucleus-deep brain stimulation; STN-DBS)を施行したところ,振戦は消失し経過は良好である.BTPで難治性の振戦はSTN-DBSの適応になると思われる.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.54.511