著明な髄液糖低下を呈した髄膜播種性サルコイドーシスの1例

症例は29歳男性である.2008年に肺サルコイドーシスを指摘された.2010年10月下旬に38°C台の発熱,頭痛が出現した.11月より膿疱性乾癬の診断で皮膚科へ入院したが,発熱,頭痛が改善せず当科に転科した.頭部MRIで脳底部を中心に微小造影結節をみとめた.脳脊髄液検査で細胞数,蛋白が増加し,糖は7 mg/dlと著明な低値を示した.抗結核薬,ステロイドパルス療法をおこなったが臨床症状,検査値ともに改善しなかった.髄膜生検で髄膜播種性サルコイドーシスと診断した.プレドニゾロン60 mg/日を開始し,症状は著明に改善した.髄膜播種性サルコイドーシスでも髄液糖が著明に低下する可能性に留意すべきである...

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Published in臨床神経学 Vol. 53; no. 5; pp. 367 - 371
Main Authors 向野, 晃弘, 鳥山, 史, 中田, るか, 浅井, 幸, 松尾, 孝之, 林, 徳真吉, 本村, 政勝, 木下, 郁夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 01.05.2013
Subjects
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.53.367

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Summary:症例は29歳男性である.2008年に肺サルコイドーシスを指摘された.2010年10月下旬に38°C台の発熱,頭痛が出現した.11月より膿疱性乾癬の診断で皮膚科へ入院したが,発熱,頭痛が改善せず当科に転科した.頭部MRIで脳底部を中心に微小造影結節をみとめた.脳脊髄液検査で細胞数,蛋白が増加し,糖は7 mg/dlと著明な低値を示した.抗結核薬,ステロイドパルス療法をおこなったが臨床症状,検査値ともに改善しなかった.髄膜生検で髄膜播種性サルコイドーシスと診断した.プレドニゾロン60 mg/日を開始し,症状は著明に改善した.髄膜播種性サルコイドーシスでも髄液糖が著明に低下する可能性に留意すべきである.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.53.367