可逆性の経過を呈した肝性ミエロパチーの1例

症例は42歳女性である.アルコール性肝硬変の経過中,痙性歩行が出現し徐々に増悪した.四肢腱反射亢進,下肢振動覚の低下および下肢体性感覚誘発電位(somatosensory evoked potential; SEP)にて脊髄伝導障害をみとめ,肝硬変を基礎疾患とした高アンモニア血症を呈したことから肝性ミエロパチーと診断した.ラクツロース投与により血清アンモニア値は低下し,痙性歩行およびSEPの改善をみとめた.肝性ミエロパチーには肝移植のみが有効な治療とされてきたが,本例ではラクツロース内服によるアンモニア低下療法が有効であった....

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Published in臨床神経学 Vol. 54; no. 3; pp. 223 - 226
Main Authors 澤田, 甚一, 深田, 慶, 八重垣, 貴英, 星, 拓, 廣澤, 太輔, 狭間, 敬憲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 01.03.2014
Subjects
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.54.223

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Summary:症例は42歳女性である.アルコール性肝硬変の経過中,痙性歩行が出現し徐々に増悪した.四肢腱反射亢進,下肢振動覚の低下および下肢体性感覚誘発電位(somatosensory evoked potential; SEP)にて脊髄伝導障害をみとめ,肝硬変を基礎疾患とした高アンモニア血症を呈したことから肝性ミエロパチーと診断した.ラクツロース投与により血清アンモニア値は低下し,痙性歩行およびSEPの改善をみとめた.肝性ミエロパチーには肝移植のみが有効な治療とされてきたが,本例ではラクツロース内服によるアンモニア低下療法が有効であった.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.54.223