サーモグラフィーによる健康成人女性皮膚温の研究

サーモグラフィーは1956年に初めて医学領域に導入され1), 最近では末梢血行障害, 炎症性疾患, 乳癌や甲状腺癌, 皮膚癌などの体表近傍に存在する腫瘍の診断, 末梢神経障害の診断, 薬剤の効果判定などの分野で広く臨床的に応用されている2)3). しかしその多くがサーモグラムのパターン認識による診断への応用であって, サーモグラムを定量的に比較検討したものは少ない4). この原因としては健康人, 特に女性のサーモグラムに関する定量的分析, 検討が少ないためと考えられる. 本研究では, 従来のサーモグラフィー装置にはなかった画像情報処理機能を有するサーモビュァー(JTG-500M, Jeol製)...

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Published in日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 48; no. 2; pp. 86 - 98
Main Authors 鈴木, 仁子, 松多, 邦雄, 宮本, 昭正, 鈴木, 正夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本温泉気候物理医学会 1985
日本温泉気候物理医学会
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ISSN0029-0343
1884-3697
DOI10.11390/onki1962.48.86

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Summary:サーモグラフィーは1956年に初めて医学領域に導入され1), 最近では末梢血行障害, 炎症性疾患, 乳癌や甲状腺癌, 皮膚癌などの体表近傍に存在する腫瘍の診断, 末梢神経障害の診断, 薬剤の効果判定などの分野で広く臨床的に応用されている2)3). しかしその多くがサーモグラムのパターン認識による診断への応用であって, サーモグラムを定量的に比較検討したものは少ない4). この原因としては健康人, 特に女性のサーモグラムに関する定量的分析, 検討が少ないためと考えられる. 本研究では, 従来のサーモグラフィー装置にはなかった画像情報処理機能を有するサーモビュァー(JTG-500M, Jeol製)を使用し, 健康成人女性9名の胸腹部, 背部, 手背, 下肢の平均皮膚温, 最高皮膚温, 最高皮膚温部位につき定量的に比較検討した. うち4名については基礎体温と皮膚温との相関を調べ, 性周期と皮膚温について検討した. さらに3名には冷水負荷後5分までの胸部, 腹部, 背部, 手背, 下肢の皮膚温を調べ, 冷水負荷時の皮膚温の変動についても検討した.
ISSN:0029-0343
1884-3697
DOI:10.11390/onki1962.48.86