自閉スペクトラム症女性を対象とした月経前症候群リスクに関する実態調査

自閉スペクトラム症(ASD)女性は、知的能力障害やダウン症候群の女性と比較し、月経前症候群(PMS)の割合が高いとされるが、その実態は明らかではない。本調査では、ASD女性のPMSリスクの実態を明らかにすることを目的とし、20~44歳までのASD 女性78名から自記式質問紙による調査を実施した。その結果、ASD女性はPMSリスクを伴う割合が高く、中でも精神症状が重症化しやすいことが明らかとなった。また、PMS全体のスコアとASD女性のQOLには関連があることも明らかとなり、ASD女性の健康を維持するためには、月経に伴うホルモン変動の影響をふまえた継続的な支援の検討が不可欠であることが示唆された...

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Bibliographic Details
Published in自閉症スペクトラム研究 Vol. 19; no. 1; pp. 123 - 131
Main Authors 仙石, 泰仁, 野田, 孝子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published NPO法人 日本自閉症スペクトラム支援協会 日本自閉症スペクトラム学会 30.09.2021
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ISSN1347-5932
2434-477X
DOI10.32220/japanacademyofas.19.1_123

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Summary:自閉スペクトラム症(ASD)女性は、知的能力障害やダウン症候群の女性と比較し、月経前症候群(PMS)の割合が高いとされるが、その実態は明らかではない。本調査では、ASD女性のPMSリスクの実態を明らかにすることを目的とし、20~44歳までのASD 女性78名から自記式質問紙による調査を実施した。その結果、ASD女性はPMSリスクを伴う割合が高く、中でも精神症状が重症化しやすいことが明らかとなった。また、PMS全体のスコアとASD女性のQOLには関連があることも明らかとなり、ASD女性の健康を維持するためには、月経に伴うホルモン変動の影響をふまえた継続的な支援の検討が不可欠であることが示唆された。
ISSN:1347-5932
2434-477X
DOI:10.32220/japanacademyofas.19.1_123