舌咽,迷走神経障害をともなったChurg-Strauss症候群の1例

Churg-Strauss症候群(CSS)の経過中に頭痛と舌咽・迷走神経障害を呈した60歳の男性例を経験した.患者はCSSにともなう多発単神経障害で入院し,ステロイドパルス療法後にプレドニゾロン(PSL)内服をおこない改善した.退院3カ月後,頭痛と嚥下障害・嗄声が出現し,舌咽・迷走神経障害をみとめた.CSSにともなう脳神経障害と判断し,ステロイドパルス療法を追加したところ頭痛と嚥下障害は改善した.2カ月後,PSL漸減中に頭痛の再燃と左顔面のしびれ感が出現したが,PSL増量により軽快した.CSSで脳神経障害を呈することは比較的少なく,とくに舌咽・迷走神経といった下位脳神経障害の報告は過去に1例の...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in臨床神経学 Vol. 52; no. 7; pp. 507 - 510
Main Authors 島田, 拓弥, 谷口, 彰, 佐々木, 良元, 伊井, 裕一郎, 上田, 有紀人, 冨本, 秀和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2012
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.52.507

Cover

More Information
Summary:Churg-Strauss症候群(CSS)の経過中に頭痛と舌咽・迷走神経障害を呈した60歳の男性例を経験した.患者はCSSにともなう多発単神経障害で入院し,ステロイドパルス療法後にプレドニゾロン(PSL)内服をおこない改善した.退院3カ月後,頭痛と嚥下障害・嗄声が出現し,舌咽・迷走神経障害をみとめた.CSSにともなう脳神経障害と判断し,ステロイドパルス療法を追加したところ頭痛と嚥下障害は改善した.2カ月後,PSL漸減中に頭痛の再燃と左顔面のしびれ感が出現したが,PSL増量により軽快した.CSSで脳神経障害を呈することは比較的少なく,とくに舌咽・迷走神経といった下位脳神経障害の報告は過去に1例のみと稀少なため報告する.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.52.507