実用コミュニケーション能力検査の開発と標準化

我々は失語症患者の日常生活場面でのコミュニケーション行動を評価する目的で実用コミュニケーション能力検査を開発した.本検査は,(1)日常コミュニケーション活動を対象とした検査項目,(2)言語外文脈を考慮した構成,(3)コミュニケーションの実用性を反映した採点法,を特徴とする. 失語症患者200例,健康成人40例に本検査を実施した結果,(1)本検査は家庭でのコミュニケーション状況をよく反映し,信頼性と妥当性が高いこと,(2)失語症患者では,高齢になるほど日常コミュニケーション能力の低下が著しいこと,(3)本検査の結果から,コミュニケーションの実用性を5段階に分類しうること,(4)既存の失語症検査と...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 24; no. 2; pp. 103 - 112
Main Authors 笹沼, 澄子, 竹内, 愛子, 高橋, 真知子, 鈴木, 勉, 伊藤, 元信, 遠藤, 教子, 綿森, 淑子, 福迫, 陽子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本リハビリテーション医学会 1987
日本リハビリテーション医学会
Subjects
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ISSN0034-351X
1880-778X
DOI10.2490/jjrm1963.24.103

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Summary:我々は失語症患者の日常生活場面でのコミュニケーション行動を評価する目的で実用コミュニケーション能力検査を開発した.本検査は,(1)日常コミュニケーション活動を対象とした検査項目,(2)言語外文脈を考慮した構成,(3)コミュニケーションの実用性を反映した採点法,を特徴とする. 失語症患者200例,健康成人40例に本検査を実施した結果,(1)本検査は家庭でのコミュニケーション状況をよく反映し,信頼性と妥当性が高いこと,(2)失語症患者では,高齢になるほど日常コミュニケーション能力の低下が著しいこと,(3)本検査の結果から,コミュニケーションの実用性を5段階に分類しうること,(4)既存の失語症検査とは質的に異なる情報を提供すること,などが示された.
ISSN:0034-351X
1880-778X
DOI:10.2490/jjrm1963.24.103