一過性の筋力低下から回復し,10年間無症状であるdysferlin異常症の1例

生来健康であったが18歳時に重労働への就労1.5カ月で歩行困難が出現し,横紋筋融解症をうたがわれたが安静などにより症状は改善をみとめ,以後10年間は無症状であるdysferlin異常症の男性患者を報告した.血清CK値が2,000U/L前後の高値を持続したので18歳時に筋生検をおこなったが,当時は診断確定ができなかった.後に保存検体の免疫染色でdysferlin欠損をみとめ,遺伝子検索ではdysferlin遺伝子の変異(c.2997G>Tとc.3373delG)をみとめた.10年間,無症状で経過している点が特徴的であった....

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Published in臨床神経学 Vol. 52; no. 7; pp. 495 - 498
Main Authors 藤村, 晴俊, 高橋, 俊明, 小林, 芳人, 隅, 寿恵, 青木, 正志, 高橋, 正紀, 佐古田, 三郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2012
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.52.495

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Summary:生来健康であったが18歳時に重労働への就労1.5カ月で歩行困難が出現し,横紋筋融解症をうたがわれたが安静などにより症状は改善をみとめ,以後10年間は無症状であるdysferlin異常症の男性患者を報告した.血清CK値が2,000U/L前後の高値を持続したので18歳時に筋生検をおこなったが,当時は診断確定ができなかった.後に保存検体の免疫染色でdysferlin欠損をみとめ,遺伝子検索ではdysferlin遺伝子の変異(c.2997G>Tとc.3373delG)をみとめた.10年間,無症状で経過している点が特徴的であった.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.52.495