内視鏡下経斜台手術でドレナージ法の工夫が奏効した錐体尖コレステリン肉芽腫例

錐体尖コレステリン肉芽腫に対して経斜台開放術を行った症例の手技・工夫を報告する. 初回手術は経斜台的に錐体尖を開放し, 鼻中隔粘膜弁を摘出腔に敷き, T字型チューブを錐体尖に留置した. 術後, 錐体尖の閉塞を認め, 再手術を行った. チューブを抜去し, 細径のネラトンカテーテルの片端を鼻中隔後方粘膜に縫合固定して錐体尖に留置した. 手術後, 通院下にカテーテルを通じて錐体尖の洗浄を行い, 再手術から4年11カ月が経過し, 開放部の閉塞所見を認めていない. 錐体尖コレステリン肉芽腫の経斜台開放術において, 事故抜去の懸念がない工夫をし, 錐体尖を洗浄できるカテーテル留置と術後処置が再閉塞予防に有...

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Published in日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 Vol. 128; no. 6; pp. 841 - 847
Main Authors 竹宮 由美, 大野 峻, 小川 竜介, 天津 久郎, 平山 靖子, 衣笠 竜成
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 20.06.2025
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
Subjects
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ISSN2436-5793
2436-5866
DOI10.3950/jibiinkotokeibu.128.6_841

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Summary:錐体尖コレステリン肉芽腫に対して経斜台開放術を行った症例の手技・工夫を報告する. 初回手術は経斜台的に錐体尖を開放し, 鼻中隔粘膜弁を摘出腔に敷き, T字型チューブを錐体尖に留置した. 術後, 錐体尖の閉塞を認め, 再手術を行った. チューブを抜去し, 細径のネラトンカテーテルの片端を鼻中隔後方粘膜に縫合固定して錐体尖に留置した. 手術後, 通院下にカテーテルを通じて錐体尖の洗浄を行い, 再手術から4年11カ月が経過し, 開放部の閉塞所見を認めていない. 錐体尖コレステリン肉芽腫の経斜台開放術において, 事故抜去の懸念がない工夫をし, 錐体尖を洗浄できるカテーテル留置と術後処置が再閉塞予防に有用である可能性が示唆された.
ISSN:2436-5793
2436-5866
DOI:10.3950/jibiinkotokeibu.128.6_841