血液透析患者における心胸郭比と総死亡および心血管死亡リスクとの関連
心血管疾患は,Chronic kidney disease(CKD)患者にとって主要な死因であり,心不全は日本の血液透析(HD)患者の死因第1位である.HD患者の心血管疾患の発症,進展抑止には,至適な体液量管理,ドライウェイト(DW)の適切な設定が肝要であり,心胸郭比(CTR)はDWを評価する1つの指標とされている.CTRは左室肥大や心機能障害との関連が報告されているが,HD患者における生命予後との関連ははっきりしていない.当院関連単一施設で2006年1月1日~12月31日に外来HDを行った300名について,CTRと総死亡,心血管死亡の関係を後ろ向きに調査した.平均観察期間は,4.59±1.9...
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          | Published in | 昭和学士会雑誌 Vol. 73; no. 5; pp. 451 - 458 | 
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| Main Authors | , , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            昭和大学学士会
    
        2013
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| Subjects | |
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| ISSN | 2187-719X 2188-529X  | 
| DOI | 10.14930/jshowaunivsoc.73.451 | 
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| Summary: | 心血管疾患は,Chronic kidney disease(CKD)患者にとって主要な死因であり,心不全は日本の血液透析(HD)患者の死因第1位である.HD患者の心血管疾患の発症,進展抑止には,至適な体液量管理,ドライウェイト(DW)の適切な設定が肝要であり,心胸郭比(CTR)はDWを評価する1つの指標とされている.CTRは左室肥大や心機能障害との関連が報告されているが,HD患者における生命予後との関連ははっきりしていない.当院関連単一施設で2006年1月1日~12月31日に外来HDを行った300名について,CTRと総死亡,心血管死亡の関係を後ろ向きに調査した.平均観察期間は,4.59±1.93年で,観察開始時の年間平均CTRによって3分位に分けたところ,総死亡における累積生存率は3群間で有意差を認めた(P=0.0419).また,CTRは,年齢,陳旧性心筋梗塞の既往,血清phosphate値,血清C-reactive protein値,Left Ventricular mass index(LVMI)と有意な正の相関が,貧血,血清アルブミン値と有意な負の相関がみられた.多変量解析では,総死亡,心血管死亡とも,男性,低アルブミン血症,LVMIと関連していたが,CTRとの有意な関連はなかった.CTRは総死亡,心血管死亡の明らかな予測因子ではなかった. | 
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| ISSN: | 2187-719X 2188-529X  | 
| DOI: | 10.14930/jshowaunivsoc.73.451 |