アルコール性肝障害入院患者が断酒を決意し断酒を継続するプロセス

本研究は,アルコール性肝障害入院患者が断酒を決意し,断酒を継続するプロセスを明らかにし,断酒の決意と断酒の継続を可能にする看護支援について検討することである。   入院中のアルコール性肝障害患者6名を対象とし半構造化面接を行い,M-GTAの手法で分析した結果,アルコール性肝障害入院患者が断酒を決意し断酒を継続するプロセスは,【アルコールに飲み込まれていった自分を振り返る】ことや【多量飲酒がもたらす不利益を知る】ことが強い動機づけとなって【断酒し治療を受ける決心をする】を経て断酒し,その断酒の実績から【退院後も継続的な断酒を決意する】ことで断酒継続の決意をより強めて,入院中の断酒を継続するプロセ...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 35; no. 5; pp. 5_25 - 5_34
Main Authors 秋元, 典子, 山田, 隆子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 01.12.2012
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ISSN2188-3599
2189-6100
DOI10.15065/jjsnr.20121030003

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Summary:本研究は,アルコール性肝障害入院患者が断酒を決意し,断酒を継続するプロセスを明らかにし,断酒の決意と断酒の継続を可能にする看護支援について検討することである。   入院中のアルコール性肝障害患者6名を対象とし半構造化面接を行い,M-GTAの手法で分析した結果,アルコール性肝障害入院患者が断酒を決意し断酒を継続するプロセスは,【アルコールに飲み込まれていった自分を振り返る】ことや【多量飲酒がもたらす不利益を知る】ことが強い動機づけとなって【断酒し治療を受ける決心をする】を経て断酒し,その断酒の実績から【退院後も継続的な断酒を決意する】ことで断酒継続の決意をより強めて,入院中の断酒を継続するプロセスであることが明らかになった。   看護師は,アルコールに飲み込まれていった自分を患者自身が振り返ること,および多量飲酒がもたらす不利益を自覚できるように支援する必要があることが示唆された。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20121030003