カルバペネム系薬投与患者における耐性菌選択リスク因子の検討

カルバペネム系薬投与患者における耐性菌選択のリスク因子を検討するために,昭和大学病院で研究協力が得られた診療科における入院患者のデータを収集し解析した.カルバペネム系薬投与後に培養検査の結果が得られた患者を,耐性菌検出群と非検出群に分け,背景因子と抗菌薬の量的因子について単変量解析と多変量解析を行い,かつ,単変量解析で有意確率が0.20未満の因子については多重ロジスティック回帰分析を行った.その結果,「年齢70歳以上」,「在院日数」,「透析導入の有無」の3つが耐性菌検出に関わるリスク因子であることが示された.本研究で耐性菌検出の有無と抗菌薬の量的因子に有意な差を認めなかったことから,医療施設内...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in昭和学士会雑誌 Vol. 74; no. 1; pp. 67 - 72
Main Authors 金子, 堯一, 峯村, 純子, 前田, 真之, 大戸, 祐治, 吉田, 仁, 茅野, 博行, 村山, 純一郎, 小林, 洋一, 馬場, 俊之, 石野, 敬子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学学士会 2014
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN2187-719X
2188-529X
DOI10.14930/jshowaunivsoc.74.67

Cover

More Information
Summary:カルバペネム系薬投与患者における耐性菌選択のリスク因子を検討するために,昭和大学病院で研究協力が得られた診療科における入院患者のデータを収集し解析した.カルバペネム系薬投与後に培養検査の結果が得られた患者を,耐性菌検出群と非検出群に分け,背景因子と抗菌薬の量的因子について単変量解析と多変量解析を行い,かつ,単変量解析で有意確率が0.20未満の因子については多重ロジスティック回帰分析を行った.その結果,「年齢70歳以上」,「在院日数」,「透析導入の有無」の3つが耐性菌検出に関わるリスク因子であることが示された.本研究で耐性菌検出の有無と抗菌薬の量的因子に有意な差を認めなかったことから,医療施設内の耐性菌検出状況を抗菌薬の量的因子だけで評価する際は得られた結果の解釈に注意が必要である.
ISSN:2187-719X
2188-529X
DOI:10.14930/jshowaunivsoc.74.67