長期透析症例の血清アルミニウムに関する臨床的研究

長期血液透析患者の血清アルミニウム(Al)は異常高値を示す。透析症例におけるAlの異常蓄積は骨粗そう症、Al脳症、腎性貧血の原因の一つであると報告されている。我々は透析中の血清Alの動態、血清Alと透析年数の関係、血清Al値とアルミゲルとの関係、また腎性骨異栄養症(ROD)のparameterとしての血清カルシウム(Ca)、血清リン(Pi)、Ca×pi積、アルカリフォスファターゼ値(ALP)、iPTH、iCTの関係をまた貧血に関係あるFe、フェリチン、TIBC、Hb、RBC、MCV、MCHらとの関係を調べた。透析前の血清Alは8.1±2.4μg/dlであったが終了後は6.4±4.2μg/dlと...

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Published inJinko Zoki Vol. 13; no. 2; pp. 796 - 799
Main Authors 細川, 進一, 谷口, 浩三, 今井, 哲也, 小平, 精吾, 友吉, 唯夫, 野田, 豊之, 高田, 貞文, 西尾, 利二, 野中, 優, 沢西, 謙次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 1984
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
Subjects
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.13.796

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Summary:長期血液透析患者の血清アルミニウム(Al)は異常高値を示す。透析症例におけるAlの異常蓄積は骨粗そう症、Al脳症、腎性貧血の原因の一つであると報告されている。我々は透析中の血清Alの動態、血清Alと透析年数の関係、血清Al値とアルミゲルとの関係、また腎性骨異栄養症(ROD)のparameterとしての血清カルシウム(Ca)、血清リン(Pi)、Ca×pi積、アルカリフォスファターゼ値(ALP)、iPTH、iCTの関係をまた貧血に関係あるFe、フェリチン、TIBC、Hb、RBC、MCV、MCHらとの関係を調べた。透析前の血清Alは8.1±2.4μg/dlであったが終了後は6.4±4.2μg/dlと有意に低下した。血清Al値は透析年数と正の相関を認めた。また摂取アルミゲルとも正の相関を認めた。血清Al値とCa、Pi、iPTH、iCTとは有意な関係は認めなかった。Ca×Pi積とは逆の相関を認めた。血清Al値とFe、フェリチン、Hb、RBC、MCV、MCHとは有意な関係は認めなかった。血清Al値とCa×Pi積は負の相関をまたTIBCとは有意な正の相関を認めた。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.13.796