パーソナリティが中学生の抑うつの変化に及ぼす影響

本研究では,思春期の抑うつと関連するパーソナリティおよび抑うつの変化に影響を及ぼすパーソナリティの性差について検討するために,中学生417名を対象に5カ月間の間隔をおいた2回の質問紙調査による検討を行った。まず,抑うつと関連するパーソナリティについては,階層的重回帰分析の結果,男子ではCloningerの7次元モデルの自己志向の低さとの関連が最も深く,女子では損害回避の高さとの関連が最も深いことが示された。次に,抑うつの変化に影響を及ぼすパーソナリティについて検討した結果,男女共に報酬依存の低さが抑うつを高めることが予測された。また,男子においてのみ,固執の低さも抑うつを高めることが示され,こ...

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Bibliographic Details
Published inパーソナリティ研究 Vol. 18; no. 3; pp. 187 - 195
Main Author 田中, 麻未
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本パーソナリティ心理学会 2010
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ISSN1348-8406
1349-6174
DOI10.2132/personality.18.187

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Summary:本研究では,思春期の抑うつと関連するパーソナリティおよび抑うつの変化に影響を及ぼすパーソナリティの性差について検討するために,中学生417名を対象に5カ月間の間隔をおいた2回の質問紙調査による検討を行った。まず,抑うつと関連するパーソナリティについては,階層的重回帰分析の結果,男子ではCloningerの7次元モデルの自己志向の低さとの関連が最も深く,女子では損害回避の高さとの関連が最も深いことが示された。次に,抑うつの変化に影響を及ぼすパーソナリティについて検討した結果,男女共に報酬依存の低さが抑うつを高めることが予測された。また,男子においてのみ,固執の低さも抑うつを高めることが示され,この固執と抑うつには双方向の影響関係があることが示唆された。
ISSN:1348-8406
1349-6174
DOI:10.2132/personality.18.187