外科的気管切開の術式選択とカニューレ管理

「はじめに」外科的気管切開術 (以下気管切開と略す) は, 耳鼻咽喉科医にとって口蓋扁桃摘出術と同じく, 専門医前に習得すべき基本手技である. また, 外科や脳神経外科, 救急診療の場面ではベッドサイドで日常的に行われる「処置」として扱われている. しかしながら, 気管切開をめぐる合併症の発症率は15~20%と報告され, 重篤な合併症も少なくない. そこで本稿では, 主に成人例を対象とした気管切開の術式選択とカニューレ管理について解説する. 「I. 気管切開の目的と術前評価」気管切開の目的は, (1) 喉頭より上位の気道閉塞のバイパス, (2) 頭頸部手術後の気道確保, (3) 人工呼吸器肺炎...

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Published in日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 Vol. 124; no. 12; pp. 1646 - 1648
Main Author 木村, 百合香
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 20.12.2021
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
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ISSN2436-5793
2436-5866
DOI10.3950/jibiinkotokeibu.124.12_1646

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Summary:「はじめに」外科的気管切開術 (以下気管切開と略す) は, 耳鼻咽喉科医にとって口蓋扁桃摘出術と同じく, 専門医前に習得すべき基本手技である. また, 外科や脳神経外科, 救急診療の場面ではベッドサイドで日常的に行われる「処置」として扱われている. しかしながら, 気管切開をめぐる合併症の発症率は15~20%と報告され, 重篤な合併症も少なくない. そこで本稿では, 主に成人例を対象とした気管切開の術式選択とカニューレ管理について解説する. 「I. 気管切開の目的と術前評価」気管切開の目的は, (1) 喉頭より上位の気道閉塞のバイパス, (2) 頭頸部手術後の気道確保, (3) 人工呼吸器肺炎の予防, (4) 気道の死腔・気道抵抗の減少, (5) 下気道の浄化 (痰や唾液の吸引ルート) , (6) 長期間の人工呼吸器管理などである.
ISSN:2436-5793
2436-5866
DOI:10.3950/jibiinkotokeibu.124.12_1646