直腸癌に併存した胸膜solitary fibrous tumorの1例

症例は41歳,女性.平成14年7月,不整月経精査目的に婦人科でMRI施行され,その際に直腸腫瘍を指摘された.直腸腫瘍は,生検にて直腸癌の診断であった.また,術前の腹部CTにて右胸腔内に右肺下葉,横隔膜に接する境界明瞭な10cm大の腫瘤影を認めた.エコーガイド下針生検にてsolitary fibrous tumor(SFT)の診断であった.まず,2002年7月に右胸腔内のSFTに対して開胸下に腫瘍摘出術,右肺下葉部分切除術,横隔膜合併切除術を施行した.SFTが根治的に切除できた事を確認し,続いて2002年9月に直腸癌に対して低位前方切除術を施行した(Rb,25×20mm,MP,N2,H0,P0,...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 70; no. 10; pp. 2989 - 2993
Main Authors 長谷川, 博文, 伊藤, 修平, 斉藤, 元吉, 北村, 昌之, 姉川, 剛, 池部, 正彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2009
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.70.2989

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Summary:症例は41歳,女性.平成14年7月,不整月経精査目的に婦人科でMRI施行され,その際に直腸腫瘍を指摘された.直腸腫瘍は,生検にて直腸癌の診断であった.また,術前の腹部CTにて右胸腔内に右肺下葉,横隔膜に接する境界明瞭な10cm大の腫瘤影を認めた.エコーガイド下針生検にてsolitary fibrous tumor(SFT)の診断であった.まず,2002年7月に右胸腔内のSFTに対して開胸下に腫瘍摘出術,右肺下葉部分切除術,横隔膜合併切除術を施行した.SFTが根治的に切除できた事を確認し,続いて2002年9月に直腸癌に対して低位前方切除術を施行した(Rb,25×20mm,MP,N2,H0,P0,M0,stage IIIb).術後6年7カ月現在,無再発生存中である.間葉組織由来の比較的稀な腫瘍であるSFTに直腸癌を併存した症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.70.2989