幽門側胃切除後に生じた脾腫瘍に対し脾部分切除を施行した1例

幽門側胃切除後に生じた脾腫瘍に対し脾部分切除を施行した1例を経験したので報告する.症例は74歳女性,2006年胃癌にて腹腔鏡補助下幽門側胃切除術,D1+β郭清を施行,病理結果は低分化管状腺癌pTsm N1 M0 stage Ibであった.2008年CTにて脾上極に5mm大のLow density areaを認め経過観察していたが2010年になり13mmから22mmと急速に増大傾向を示した.腹部USでは辺縁明瞭なhyperechoicな腫瘤であった.MRIではT1強調画像にて低信号,T2強調画像にて高信号の辺縁明瞭な腫瘤であった.FDG-PETは同部を含め全身に異常集積は認めなかった.画像上は血...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 72; no. 11; pp. 2936 - 2940
Main Authors 河埜, 道夫, 近藤, 昭信, 長沼, 達史, 伊藤, 貴洋, 田中, 穣, 伊佐地, 秀司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2011
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.72.2936

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Summary:幽門側胃切除後に生じた脾腫瘍に対し脾部分切除を施行した1例を経験したので報告する.症例は74歳女性,2006年胃癌にて腹腔鏡補助下幽門側胃切除術,D1+β郭清を施行,病理結果は低分化管状腺癌pTsm N1 M0 stage Ibであった.2008年CTにて脾上極に5mm大のLow density areaを認め経過観察していたが2010年になり13mmから22mmと急速に増大傾向を示した.腹部USでは辺縁明瞭なhyperechoicな腫瘤であった.MRIではT1強調画像にて低信号,T2強調画像にて高信号の辺縁明瞭な腫瘤であった.FDG-PETは同部を含め全身に異常集積は認めなかった.画像上は血管腫が疑われたが,急速な増大傾向を認め,悪性の可能性も否定できず手術適応と判断した.術前のCT Angiographyでは後胃動脈ははっきり同定できず,脾摘出を施行すると,残胃壊死になる可能性が考えられ,脾部分切除を施行した.InLine®にて切離線を前凝固したのち脾実質の切離を施行した.病理組織所見に悪性所見はなく,脾血管腫と診断した.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.72.2936