医学生の学習に対する態度と姿勢に関する調査

本研究では,平成17年に入学した藤田保健衛生大学医学部学生を対象に,入学直後と4年生3学期にそれぞれ学習意識調査を実施してそのデータを解析した.この意識調査に回答した87名の学生を,2年次の年間総合成績で成績上位1/3,中位1/3,下位1/3の3群に分けた. 1) 入学直後には3群のいずれにおいても,ほとんどの学生が入学後"勉強を中心に生活したい"と回答したにもかかわらず,4年終了時には成績中位1/3,下位1/3の学生においては"勉強を中心に生活した"との回答が著しく少なかった. 2) "医師のイメージ"について,成績上位1/3の学生...

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Published in医学教育 Vol. 41; no. 6; pp. 429 - 434
Main Authors 長田, 明子, 中島, 昭, 橋本, 修二, 石原, 慎, 松井, 俊和, 小野, 雄一郎, 大槻, 眞嗣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医学教育学会 2010
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ISSN0386-9644
2185-0453
DOI10.11307/mededjapan.41.429

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Summary:本研究では,平成17年に入学した藤田保健衛生大学医学部学生を対象に,入学直後と4年生3学期にそれぞれ学習意識調査を実施してそのデータを解析した.この意識調査に回答した87名の学生を,2年次の年間総合成績で成績上位1/3,中位1/3,下位1/3の3群に分けた. 1) 入学直後には3群のいずれにおいても,ほとんどの学生が入学後"勉強を中心に生活したい"と回答したにもかかわらず,4年終了時には成績中位1/3,下位1/3の学生においては"勉強を中心に生活した"との回答が著しく少なかった. 2) "医師のイメージ"について,成績上位1/3の学生では入学直後と4年終了時の回答結果には変化がみられないが,中位1/3,下位1/3では大きく変化していた. 3) 成績が悪い群ほど欠席が多い傾向にあり,この傾向は1年から既に始まっていた.また,この群は講義や勉強に対するモチベーションが低下していることが4年終了時の回答結果から明らかになった.
ISSN:0386-9644
2185-0453
DOI:10.11307/mededjapan.41.429