肛門管内分泌細胞癌の1例

症例は70歳,男性.排便時出血,肛門痛を主訴に来院,肛門部に2型腫瘍を認めた.腰椎麻酔下の腫瘍生検にて,小細胞癌(内分泌細胞癌)の診断となり,腹会陰式直腸切断術を施行した.病理組織学的所見では絨毛状高分化型腺癌に加えて,充実胞巣状に増殖する円形の腫瘍細胞を認め,CD56,chromogranin A,synaptophysinが陽性であり,内分泌細胞癌と診断された.術後補助化学療法としてFOLFOX4を6クール施行し,その後外来観察としたが,術後12カ月目にCTにて肺,肝転移が出現したため,mFOLFOX6を開始して現在経過観察中である.肛門管内分泌細胞癌は非常にまれであるが,極めて予後不良で...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 71; no. 10; pp. 2682 - 2686
Main Authors 辻仲, 康伸, 堤, 修, 星野, 敏彦, 指山, 浩志, 浜畑, 幸弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2010
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.71.2682

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Summary:症例は70歳,男性.排便時出血,肛門痛を主訴に来院,肛門部に2型腫瘍を認めた.腰椎麻酔下の腫瘍生検にて,小細胞癌(内分泌細胞癌)の診断となり,腹会陰式直腸切断術を施行した.病理組織学的所見では絨毛状高分化型腺癌に加えて,充実胞巣状に増殖する円形の腫瘍細胞を認め,CD56,chromogranin A,synaptophysinが陽性であり,内分泌細胞癌と診断された.術後補助化学療法としてFOLFOX4を6クール施行し,その後外来観察としたが,術後12カ月目にCTにて肺,肝転移が出現したため,mFOLFOX6を開始して現在経過観察中である.肛門管内分泌細胞癌は非常にまれであるが,極めて予後不良であり,手術単独では根治が難しく集学的治療が必要であると思われた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.71.2682