準好気性埋立構造における浸出水への「炭素溶出量予測式」に関する研究

有機物主体の埋立地において廃棄物分解による浸出水への炭素の溶出挙動を予測することで,浸出水が周辺環境へ与える影響を定量的に把握することができる。準好気性と嫌気性の埋立構造を有する大型埋立実験槽の実験結果から,廃棄物分解に伴う炭素溶出量の予測式の構築を検討した。廃棄物分解過程の可溶化期間において,浸出水量に対する炭素の溶出量が各埋立構造で一定であったことから,廃棄物分解による炭素溶出速度には埋立構造の違いによる影響は少なく,降雨量による影響が大きいことがわかった。さらに,炭素溶出量予測のための影響因子として埋立地の充填密度の影響が大きく,廃棄物の単位体積あたりの浸出水量が決定因子であることがわか...

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Published inJournal of the Japan Society of Material Cycles and Waste Management Vol. 27; pp. 135 - 143
Main Authors 松藤, 康司, 平田, 修, 柳瀬, 龍二, 田中, 綾子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Tokyo 一般社団法人 廃棄物資源循環学会 2016
Japan Science and Technology Agency
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ISSN1883-5856
1883-5899
DOI10.3985/jjsmcwm.27.135

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Summary:有機物主体の埋立地において廃棄物分解による浸出水への炭素の溶出挙動を予測することで,浸出水が周辺環境へ与える影響を定量的に把握することができる。準好気性と嫌気性の埋立構造を有する大型埋立実験槽の実験結果から,廃棄物分解に伴う炭素溶出量の予測式の構築を検討した。廃棄物分解過程の可溶化期間において,浸出水量に対する炭素の溶出量が各埋立構造で一定であったことから,廃棄物分解による炭素溶出速度には埋立構造の違いによる影響は少なく,降雨量による影響が大きいことがわかった。さらに,炭素溶出量予測のための影響因子として埋立地の充填密度の影響が大きく,廃棄物の単位体積あたりの浸出水量が決定因子であることがわかった。炭素溶出量の予測式は,単位体積あたりの累積浸出水量を変数とした自然対数式で表現できた。また,その予測値と大型埋立実験の実測値がおおむね類似した値を示したことから,式の妥当性が確認された。
Bibliography:ObjectType-Article-1
SourceType-Scholarly Journals-1
ObjectType-Feature-2
content type line 14
ISSN:1883-5856
1883-5899
DOI:10.3985/jjsmcwm.27.135