脳神経外科手術における術中超音波画像診断の有用性

「目的」超音波画像診断装置が市販化された1970年代には,脳神経外科手術でその使用が期待されていたものの,満足のいく画質が得られず,次第に廃れてしまった8).近年,装置の小型化や画質の向上により再び脳神経外科手術への応用が試みられているが,機器の操作や画像の読影には多少経験を要し,これまで超音波画像診断に馴染みがなかった脳神経外科領域では,広く使用されていないのが現状である.当施設では2003年に穿頭で術中に使用できる小型のエコープローブを導入した.その使用経験から,術中超音波画像診断(Intraoperative ultrasound:I0US)の有用性ならびに使用時の注意点について報告する...

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Published inNeurosonology Vol. 18; no. 2+3; pp. 63 - 68
Main Authors 青山, 剛, 柏崎, 大奈, 牛越, 聡, 寺坂, 俊介, 布村, 充
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本脳神経超音波学会 2005
日本脳神経超音波学会
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ISSN0917-074X
DOI10.2301/neurosonology.18.63

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Summary:「目的」超音波画像診断装置が市販化された1970年代には,脳神経外科手術でその使用が期待されていたものの,満足のいく画質が得られず,次第に廃れてしまった8).近年,装置の小型化や画質の向上により再び脳神経外科手術への応用が試みられているが,機器の操作や画像の読影には多少経験を要し,これまで超音波画像診断に馴染みがなかった脳神経外科領域では,広く使用されていないのが現状である.当施設では2003年に穿頭で術中に使用できる小型のエコープローブを導入した.その使用経験から,術中超音波画像診断(Intraoperative ultrasound:I0US)の有用性ならびに使用時の注意点について報告する.「使用機器および症例」超音波画像診断装置はALOKA社製Pro Sound SSD‐3500,探触子は電子セクタ式ALOKA社製UST-5268P-5(3‐7.5MHz)を使用した.症例は2003年10月から2004年9月まで,術中に超音波画像診断を行った40例である(Table1).内訳は,脳室穿刺21例(うちくも膜下出血急性期クリッピング時7例),脳内血腫吸引9例(うち急性期4例,亜急性期5例),脳腫瘍局在確認3例,腫瘍嚢胞内リザーバー留置2例,脳膿瘍ドレナージ2例,急性硬膜下血腫吸引1例,頚椎前方除圧固定2例である.
ISSN:0917-074X
DOI:10.2301/neurosonology.18.63