内視鏡的粘膜下層剥離術治癒切除の診断後にリンパ節構造のない壁外非連続性癌進展病巣の状態で再発を来した早期胃癌の1例
症例は77歳の女性で,3年8か月前に幽門前庭部に生じた3か所の早期胃癌を内視鏡的粘膜下層剥離術(以下,ESDと略記)で一括切除され,いずれも治癒切除と診断された.今回,3か月ほど続く心窩部痛で受診した.CEA 6.0 ng/mlと上昇し,CTで小彎リンパ節が20 mm大に腫大しFDG-PETでSUV max 7.80と高集積を認めた.ESD後のリンパ節転移を疑い,D2郭清を伴う幽門側胃切除術を施行した.病理組織学的検査で結節は中分化管状腺癌だったが,リンパ節構造のない壁外非連続性癌進展病巣のtumor noduleと診断された.ESD標本の追加切片で脈管侵襲像を認め早期胃癌の再発と診断した.E...
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          | Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 51; no. 12; pp. 739 - 747 | 
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| Main Authors | , , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本消化器外科学会
    
        01.12.2018
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| Subjects | |
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| ISSN | 0386-9768 1348-9372  | 
| DOI | 10.5833/jjgs.2017.0146 | 
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| Summary: | 症例は77歳の女性で,3年8か月前に幽門前庭部に生じた3か所の早期胃癌を内視鏡的粘膜下層剥離術(以下,ESDと略記)で一括切除され,いずれも治癒切除と診断された.今回,3か月ほど続く心窩部痛で受診した.CEA 6.0 ng/mlと上昇し,CTで小彎リンパ節が20 mm大に腫大しFDG-PETでSUV max 7.80と高集積を認めた.ESD後のリンパ節転移を疑い,D2郭清を伴う幽門側胃切除術を施行した.病理組織学的検査で結節は中分化管状腺癌だったが,リンパ節構造のない壁外非連続性癌進展病巣のtumor noduleと診断された.ESD標本の追加切片で脈管侵襲像を認め早期胃癌の再発と診断した.ESD治癒切除診断後の再発例は非常にまれであり,非治癒因子や病理組織学的特徴を明らかにするには,さらなる症例の蓄積が必要と考えられた. | 
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| ISSN: | 0386-9768 1348-9372  | 
| DOI: | 10.5833/jjgs.2017.0146 |