綿繊維の乳酸触媒水熱条件下での加水分解における反応条件に関する検討

近年,セルロースを含むバイオマス系廃棄物を燃料や化学原料へ転換することが望まれていることから,約 95 % がセルロースで構成される綿繊維に着目した。綿繊維を加水分解した後発酵させ,バイオプラスチックであるポリ乳酸の原料を製造することを目標とし,乳酸を触媒とした加水分解を試みた。触媒と発酵後製品が同一であるため特別な触媒分離工程は不要となる。本報告では,グルコースの過分解を抑制しつつ綿繊維を加水分解することを目的とし,綿繊維の乳酸加水分解における反応条件について検討した。その結果,綿繊維の加水分解を促進させるには乳酸を添加して高温・長時間の反応が有効であるが,生成したグルコースの過分解の抑制は...

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Published inJournal of the Japan Society of Material Cycles and Waste Management Vol. 27; pp. 54 - 60
Main Authors 進木, 伶, 伊藤, 拓哉, 角田, 雄亮
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Tokyo 一般社団法人 廃棄物資源循環学会 2016
Japan Science and Technology Agency
Subjects
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ISSN1883-5856
1883-5899
DOI10.3985/jjsmcwm.27.54

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Summary:近年,セルロースを含むバイオマス系廃棄物を燃料や化学原料へ転換することが望まれていることから,約 95 % がセルロースで構成される綿繊維に着目した。綿繊維を加水分解した後発酵させ,バイオプラスチックであるポリ乳酸の原料を製造することを目標とし,乳酸を触媒とした加水分解を試みた。触媒と発酵後製品が同一であるため特別な触媒分離工程は不要となる。本報告では,グルコースの過分解を抑制しつつ綿繊維を加水分解することを目的とし,綿繊維の乳酸加水分解における反応条件について検討した。その結果,綿繊維の加水分解を促進させるには乳酸を添加して高温・長時間の反応が有効であるが,生成したグルコースの過分解の抑制は低温・短時間の反応が有効であることが示唆された。そのため,生成したグルコースを含む水溶液を順次排出し,綿繊維の未分解物のみ長時間熱履歴をかけて加水分解させる半流通式反応が有効であることが判明した。
Bibliography:ObjectType-Article-1
SourceType-Scholarly Journals-1
ObjectType-Feature-2
content type line 14
ISSN:1883-5856
1883-5899
DOI:10.3985/jjsmcwm.27.54