研究報告の質向上に向けて(<特集>行動療法研究における研究報告に関するガイドライン)

「研究報告に関するガイドラインの特集号について」 「巨人の肩の上に立つ」(Standing on the shoulders of giants) 12世紀のフランスの学者シャルトルのベルナール(Bernard of Chartres)の言葉とされる. Google Scholarの利用者なら見たことがあるだろう. 学問は過去の研究の蓄積の上に成り立っているという意味である. 行動療法研究は治療をテーマにしている. 治療の対象を決める手段が診断や検査である. 治療や診断は昔からある. うつ病の認知行動療法をテーマに論文を書いている投稿者が査読で何か指摘されたとしよう. 投稿者が「厚生労働省の治...

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Published in行動療法研究 Vol. 40; no. 3; pp. 151 - 154
Main Authors 佐藤, 寛, 谷, 晋二, 原井, 宏明, 奥村, 泰之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本認知・行動療法学会 30.09.2014
日本認知・行動療法学会
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ISSN0910-6529
2424-2594
DOI10.24468/jjbt.40.3_151

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Summary:「研究報告に関するガイドラインの特集号について」 「巨人の肩の上に立つ」(Standing on the shoulders of giants) 12世紀のフランスの学者シャルトルのベルナール(Bernard of Chartres)の言葉とされる. Google Scholarの利用者なら見たことがあるだろう. 学問は過去の研究の蓄積の上に成り立っているという意味である. 行動療法研究は治療をテーマにしている. 治療の対象を決める手段が診断や検査である. 治療や診断は昔からある. うつ病の認知行動療法をテーマに論文を書いている投稿者が査読で何か指摘されたとしよう. 投稿者が「厚生労働省の治療者用マニュアルを知らなかった」, 診断が問題になっているときに「ICDやDSMには詳しくないから」と公言したら, それは言い訳ではなく恥さらしである. 行動療法研究がテーマにしていることは治療だけではない.
ISSN:0910-6529
2424-2594
DOI:10.24468/jjbt.40.3_151