中高年女性の生活習慣が骨代謝に及ぼす影響

高齢社会を迎えた今日、臨床現場やマスコミでも骨粗鬆症の話題が多く取り上げられている。高齢者の骨折は、大腿骨頚部骨折がかなり多くみられ、この骨折になると寝たきりになることが多く、治ったとしても身体活動が不活発になり、余病を進行させたりして死に至ることも少なくない。大腿骨頚部骨折後には余命が短縮するとの報告もされている1)。その骨折を引き起こす元凶が骨粗鬆症であり、より良い健康的な生活を送るために、骨粗鬆症を予防することは重要な課題である。ヒトの骨量は骨格の発育と共に増加し、20歳以前まで増加を続け最大骨量(Peak bone mass)となった後、加齢に伴い減少する。骨粗鬆症予防策の一つとして、...

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Published in日本生理人類学会誌 Vol. 9; no. 3; pp. 85 - 92
Main Authors 中嶋, 大渡, 櫻井, 忠義, 仲立, 貴, 井川, 正治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本生理人類学会 2004
Japan Society of Physiological Anthropology
Subjects
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ISSN1342-3215
2432-0986
DOI10.20718/jjpa.9.3_85

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Summary:高齢社会を迎えた今日、臨床現場やマスコミでも骨粗鬆症の話題が多く取り上げられている。高齢者の骨折は、大腿骨頚部骨折がかなり多くみられ、この骨折になると寝たきりになることが多く、治ったとしても身体活動が不活発になり、余病を進行させたりして死に至ることも少なくない。大腿骨頚部骨折後には余命が短縮するとの報告もされている1)。その骨折を引き起こす元凶が骨粗鬆症であり、より良い健康的な生活を送るために、骨粗鬆症を予防することは重要な課題である。ヒトの骨量は骨格の発育と共に増加し、20歳以前まで増加を続け最大骨量(Peak bone mass)となった後、加齢に伴い減少する。骨粗鬆症予防策の一つとして、若年期に達する最大骨量を高めるという方法がある。その高めた骨密度を栄養つまりカルシウム等の摂取、運動、日光浴等により低下を防ぐという方法である。そうすることで、加齢や閉経などにより骨密度が減少しても、元々の骨密度が高いので、骨量減少や骨粗鬆症の骨密度値まで余裕があるという考え方である。
ISSN:1342-3215
2432-0986
DOI:10.20718/jjpa.9.3_85