東京都の災害医療体制
平成23年3月に発生した東日本大震災での教訓を踏まえ,東京都は災害医療体制を見直し,一層の充実を図っている。新しい災害医療体制において東京都は,(1)フェーズ区分の細分化,(2)地域の実情に応じた災害医療体制の整備,(3)すべての医療機関の役割分担の明確化,(4)情報連絡体制の構築, (5)医療支援・受援体制の構築などを柱として掲げた。 東京都は人口が多く,また人口密度も高いため,災害時には医療資源や搬送手段が著しく不足することが予測される。そのため,“平時”からの備えと“地域力”の向上が不可欠である。これについて,各二次保健医療圏に設置された東京都地域災害医療コーディネーターが“平時”から...
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Published in | JOURNAL OF THE KYORIN MEDICAL SOCIETY Vol. 47; no. 1; pp. 61 - 65 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
杏林医学会
2016
The Kyorin Medical Society |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0368-5829 1349-886X |
DOI | 10.11434/kyorinmed.47.61 |
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Summary: | 平成23年3月に発生した東日本大震災での教訓を踏まえ,東京都は災害医療体制を見直し,一層の充実を図っている。新しい災害医療体制において東京都は,(1)フェーズ区分の細分化,(2)地域の実情に応じた災害医療体制の整備,(3)すべての医療機関の役割分担の明確化,(4)情報連絡体制の構築, (5)医療支援・受援体制の構築などを柱として掲げた。 東京都は人口が多く,また人口密度も高いため,災害時には医療資源や搬送手段が著しく不足することが予測される。そのため,“平時”からの備えと“地域力”の向上が不可欠である。これについて,各二次保健医療圏に設置された東京都地域災害医療コーディネーターが“平時”から災害医療体制づくりをリードし,地域の連携強化に努めている。また,区市町村に設置される緊急医療救護所では,医師会や行政だけでなく,歯科医師会,薬剤師会,柔道整復師会,消防団,自治会,ボランティアなど地域全体の協力が必要とされる。このような体制が都民に根付き機能するよう,幅広い活動が行われている。 |
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ISSN: | 0368-5829 1349-886X |
DOI: | 10.11434/kyorinmed.47.61 |