治療に伴う有害事象の予防 ESSにおけるシェーバーの安全な使い方
「I. シェーバーとは」 マイクロデブリッダー(以下シェーバーとする)は, 削開と吸引を同時に行いながら病的組織を除去する手術用高速回転装置である. シェーバーを用いた内視鏡下鼻内手術はPowered ESS(以下PESSとする)と呼ばれ, 1990年代半ばより盛んに行われるようになった. 近年, 先端の形状のバリエーションが豊富になり, PESSの適応は鼻副鼻腔炎のみならず, 良性腫瘍の切除, 副鼻腔嚢胞の開放, 下鼻甲介手術あるいは鼻涙管閉塞に対する涙嚢壁の開放など, 様々な疾患に広がっている. 「II. シェーバーの構造と切除の仕組み」 シェーバーは, ハンドピースとパワーコンソールから...
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Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 116; no. 5; pp. 651 - 653 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
20.05.2013
日本耳鼻咽喉科学会 |
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ISSN | 0030-6622 1883-0854 |
DOI | 10.3950/jibiinkoka.116.651 |
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Summary: | 「I. シェーバーとは」 マイクロデブリッダー(以下シェーバーとする)は, 削開と吸引を同時に行いながら病的組織を除去する手術用高速回転装置である. シェーバーを用いた内視鏡下鼻内手術はPowered ESS(以下PESSとする)と呼ばれ, 1990年代半ばより盛んに行われるようになった. 近年, 先端の形状のバリエーションが豊富になり, PESSの適応は鼻副鼻腔炎のみならず, 良性腫瘍の切除, 副鼻腔嚢胞の開放, 下鼻甲介手術あるいは鼻涙管閉塞に対する涙嚢壁の開放など, 様々な疾患に広がっている. 「II. シェーバーの構造と切除の仕組み」 シェーバーは, ハンドピースとパワーコンソールから構成され, ハンドピースの先には様々な形状のブレードが取り付けられる. ブレードには内筒と外筒があり, それぞれが刃として機能する. 病変部位にブレード外筒の開窓部をあてると, 吸引によりブレード内に引き込まれた部分のみが高速で回転する内筒により切除されていく. |
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ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.116.651 |