地域森林計画における林業活動の計画目標数量とその実行率

全国158の森林計画区において都道府県によって策定される地域森林計画について,2022年時点の最新計画およびその5年前,10年前の計画を収集し,記載されている主伐材積,間伐材積,人工造林面積の5年間の計画量および実績量を分析した。実績量や計画量は計画間や8地方間で差が大きかった。計画量に対する実績量の比である実行率は,人工造林面積において特に低かった。地域森林計画の計画量には全国森林計画からの各計画への割り当て量が強く影響していると考えられるが,各項目の実行率と予定増加率は反比例の関係にあり,計画量に対する直近の達成度合いとあまり関係なく次期の計画量が決定されているといえる。地域森林計画には林...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本森林学会誌 Vol. 107; no. 3; pp. 53 - 63
Main Authors 當山 啓介, 査 世昊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本森林学会 23.05.2025
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1349-8509
1882-398X
DOI10.4005/jjfs.107.53

Cover

More Information
Summary:全国158の森林計画区において都道府県によって策定される地域森林計画について,2022年時点の最新計画およびその5年前,10年前の計画を収集し,記載されている主伐材積,間伐材積,人工造林面積の5年間の計画量および実績量を分析した。実績量や計画量は計画間や8地方間で差が大きかった。計画量に対する実績量の比である実行率は,人工造林面積において特に低かった。地域森林計画の計画量には全国森林計画からの各計画への割り当て量が強く影響していると考えられるが,各項目の実行率と予定増加率は反比例の関係にあり,計画量に対する直近の達成度合いとあまり関係なく次期の計画量が決定されているといえる。地域森林計画には林業活動の実態に関する統一的・継続的な指標を示すという意義もあるが,計画としての実効性を高めるためには,適切な計画量・計画指標の採用や実行率の明示などを行うことが考えられる。
ISSN:1349-8509
1882-398X
DOI:10.4005/jjfs.107.53