根治切除後に急速な転移再発を認めTrousseau症候群を合併した食道mixed neuroendocrine-non-neuroendocrine neoplasmsの1例
症例は67歳の男性で,嚥下時のつかえ感を主訴に受診し,上部消化管内視鏡検査にて胸部下部食道に2型腫瘍とその周囲に0-IIc病変を認めた.生検にて扁平上皮癌および神経内分泌細胞癌を認め,胸部下部食道癌(cT3N2M0 cStage III)の診断に至った.FP療法(5-fluorouracil+CDDP)を2コース施行し,胸腔鏡下食道亜全摘術,2領域+#101郭清,胸骨後経路胃管再建術を施行した.術後2か月目に多発リンパ節転移,肝転移を来した.神経内分泌細胞癌の転移を想定しIP療法(CPT-11+CDDP)を開始したが,Trousseau症候群を併発した.その後もIP療法を継続したが病態の進行を...
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 55; no. 6; pp. 351 - 359 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
01.06.2022
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Subjects | |
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ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
DOI | 10.5833/jjgs.2021.0070 |
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Summary: | 症例は67歳の男性で,嚥下時のつかえ感を主訴に受診し,上部消化管内視鏡検査にて胸部下部食道に2型腫瘍とその周囲に0-IIc病変を認めた.生検にて扁平上皮癌および神経内分泌細胞癌を認め,胸部下部食道癌(cT3N2M0 cStage III)の診断に至った.FP療法(5-fluorouracil+CDDP)を2コース施行し,胸腔鏡下食道亜全摘術,2領域+#101郭清,胸骨後経路胃管再建術を施行した.術後2か月目に多発リンパ節転移,肝転移を来した.神経内分泌細胞癌の転移を想定しIP療法(CPT-11+CDDP)を開始したが,Trousseau症候群を併発した.その後もIP療法を継続したが病態の進行を認め,術後7か月で永眠した.根治切除後に急速な転移再発を認め,Trousseau症候群を合併した食道mixed neuroendocrine-non-neuroendocrine neoplasmsの1例を経験したため報告する. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.2021.0070 |