高校生・大学生の食行動に影響を与える食物嗜好及び社会心理的要因に関する研究

「I 緒言」 近年, 食生活を取り巻く社会環境の変化に伴い, 栄養の偏り, 不規則な食事, 肥満や生活習慣病の増加など, 食と健康に関する諸問題が顕在化している. このような状況のなかで, 我が国においては, 平成12年に「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」(1)が策定され, 生活習慣病の一次予防に重点を置いた施策が実施されているところである. さらに, 平成17年には食育基本法が施行され, 国民の食生活の改善や食文化の継承を図るための教育の推進が図られている. しかしながら, 現状として, 男性の肥満者の割合, 女性のやせ(低体重)の者の割合, 朝食の欠食率, 脂肪エネルギ...

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Published in日本衛生学雑誌 Vol. 68; no. 1; pp. 33 - 45
Main Author 笠巻, 純一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本衛生学会 01.01.2013
日本衛生学会
Subjects
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ISSN0021-5082
1882-6482
DOI10.1265/jjh.68.33

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Summary:「I 緒言」 近年, 食生活を取り巻く社会環境の変化に伴い, 栄養の偏り, 不規則な食事, 肥満や生活習慣病の増加など, 食と健康に関する諸問題が顕在化している. このような状況のなかで, 我が国においては, 平成12年に「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」(1)が策定され, 生活習慣病の一次予防に重点を置いた施策が実施されているところである. さらに, 平成17年には食育基本法が施行され, 国民の食生活の改善や食文化の継承を図るための教育の推進が図られている. しかしながら, 現状として, 男性の肥満者の割合, 女性のやせ(低体重)の者の割合, 朝食の欠食率, 脂肪エネルギー比率等について, 顕著な改善は見られていない(2). 青少年層の食習慣に着目すると, 朝食の欠食率と脂肪エネルギー比率は, 男女とも20歳代が最も高く(3), 生活習慣病の一次予防の観点から, さらなる食育・健康教育の推進が求められる.
ISSN:0021-5082
1882-6482
DOI:10.1265/jjh.68.33