13年の間隔を経て再発をきたした胸壁原発滑膜肉腫の1例

症例は41歳,女性.15年前に右胸壁腫瘍の診断で,胸壁腫瘍摘出術を施行され,さらに13年前には右胸壁腫瘍の再発と両側転移性肺腫瘍に対しそれぞれ切除術を施行されていた.これらの病理組織診断は当初すべてmesotheliomaであった.その後,半年に1回程度外来通院し経過をみていたが明らかな再発,転移を認めなかった.初回手術から15年目に胸痛が出現し当院を受診.右胸壁腫瘍の再発と診断し,腫瘍摘出術を施行した.摘出標本の病理組織および遺伝子検索でSYT/SSX1融合遺伝子を検出し,滑膜肉腫と診断した.過去の検体についても同じく遺伝子検査を施行したところ,全てにSYT/SSX1融合遺伝子を検出した.キ...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 26; no. 6; pp. 677 - 682
Main Authors 古市, 基彦, 村松, 高, 四万村, 三恵, 塩野, 元美, 大森, 一光, 石本, 真一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.09.2012
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.26.677

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Summary:症例は41歳,女性.15年前に右胸壁腫瘍の診断で,胸壁腫瘍摘出術を施行され,さらに13年前には右胸壁腫瘍の再発と両側転移性肺腫瘍に対しそれぞれ切除術を施行されていた.これらの病理組織診断は当初すべてmesotheliomaであった.その後,半年に1回程度外来通院し経過をみていたが明らかな再発,転移を認めなかった.初回手術から15年目に胸痛が出現し当院を受診.右胸壁腫瘍の再発と診断し,腫瘍摘出術を施行した.摘出標本の病理組織および遺伝子検索でSYT/SSX1融合遺伝子を検出し,滑膜肉腫と診断した.過去の検体についても同じく遺伝子検査を施行したところ,全てにSYT/SSX1融合遺伝子を検出した.キメラ遺伝子が診断に有用であった1例を経験した.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.26.677