大腸憩室炎に伴い腸重積様画像を呈した回盲部inflammatory fibroid polypの1例

症例は53歳,男性.2009年4月頃より,右下腹部腫瘤と痛みあり,近医を受診し,腹部エコーで,大腸癌の疑いで当院紹介.CTでは,腹腔内リンパ節腫大,多発性腹壁腫瘤,左肺に転移を疑う所見あり,下部内視鏡検査(CF)で,上行結腸に粘膜下腫瘍様の隆起性病変を認め,注腸検査では,さらに同部位に多発性憩室と回盲部狭窄を認め,5型進行癌の疑いで,入院.再度,CF,注腸検査施行したところ,回盲部狭窄は改善し,巨大ポリープも縮小し,生検でもGroupIのため,フォローとしたが,悪性リンパ腫も否定できなかったため,外来で,腹部MRI,PET-CT,Gaシンチを施行したが,炎症性変化であった.しかし,腹痛が改善せ...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 72; no. 7; pp. 1782 - 1785
Main Authors 古川, 健司, 重松, 恭祐, 桂川, 秀雄, 古川, 達也, 松下, 典正, 山崎, 希恵子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2011
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.72.1782

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Summary:症例は53歳,男性.2009年4月頃より,右下腹部腫瘤と痛みあり,近医を受診し,腹部エコーで,大腸癌の疑いで当院紹介.CTでは,腹腔内リンパ節腫大,多発性腹壁腫瘤,左肺に転移を疑う所見あり,下部内視鏡検査(CF)で,上行結腸に粘膜下腫瘍様の隆起性病変を認め,注腸検査では,さらに同部位に多発性憩室と回盲部狭窄を認め,5型進行癌の疑いで,入院.再度,CF,注腸検査施行したところ,回盲部狭窄は改善し,巨大ポリープも縮小し,生検でもGroupIのため,フォローとしたが,悪性リンパ腫も否定できなかったため,外来で,腹部MRI,PET-CT,Gaシンチを施行したが,炎症性変化であった.しかし,腹痛が改善せず,同年7月腹部CTで腸重積が疑われたため,上行結腸切除術,小腸部分切除術を施行した.病理の結果は,大腸憩室炎が起点となり,炎症によりIFPを伴い腸重積様画像を呈したと考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.72.1782