日本人幼児の体脂肪における年間変化

近年, 日本人の生活環境は大きな変貌を遂げ, この50年間に日本人の身体も大きく変化した. 特に, 高度経済成長期以後に生まれ, 育った現代の若者はその身体の大きさのみならず, 身体組成においても大きく変化した. 現在, 小児の身体サイズは大きくなり, 特に肥満との関わりが深い生活習慣病の若年化などが問題となっている. そのため, 日本人小児の, 身体組成に関する詳細な情報が必要である. しかし, 日本人小児の身体組成にっいての研究は少なく, 日本人幼児を対象としたものはさらに少ない. 日本人幼児を対象とした研究としては乙木ら1)による幼児の体脂肪分布に関する性差や, Teramotoら2)に...

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Published in日本生理人類学会誌 Vol. 7; no. 2; pp. 107 - 113
Main Authors 小宮, 秀一, 衛藤, 稚英子, 寺本, 圭輔, 乙木, 幸道
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本生理人類学会 2002
Japan Society of Physiological Anthropology
Subjects
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ISSN1342-3215
2432-0986
DOI10.20718/jjpa.7.2_107

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Summary:近年, 日本人の生活環境は大きな変貌を遂げ, この50年間に日本人の身体も大きく変化した. 特に, 高度経済成長期以後に生まれ, 育った現代の若者はその身体の大きさのみならず, 身体組成においても大きく変化した. 現在, 小児の身体サイズは大きくなり, 特に肥満との関わりが深い生活習慣病の若年化などが問題となっている. そのため, 日本人小児の, 身体組成に関する詳細な情報が必要である. しかし, 日本人小児の身体組成にっいての研究は少なく, 日本人幼児を対象としたものはさらに少ない. 日本人幼児を対象とした研究としては乙木ら1)による幼児の体脂肪分布に関する性差や, Teramotoら2)による幼児の身体組成の年齢変化についての報告があげられる. しかし, 現段階では日本人幼児の身体組成に関する標準値すら確立されていない. 幼児期の身体組成の性差や年齢差はどの程度なのか, 身体組成値は発育過程においてどのように変化するのかを明らかにすることが重要である. 幼児期は第一発育急進期と第二発育急進期の間の早い時期に位置し, 比較的落ち着いた発育を示す時期である.
ISSN:1342-3215
2432-0986
DOI:10.20718/jjpa.7.2_107